
ゲスト:経営コンサルタント上地康史
有限会社 沖縄空感 Design Agent
https://okikan.com/
今回は、沖縄を拠点に活躍される経営コンサルタントの上地康史さんをお迎えし、NPO法人Mirai Kanaiがお話を伺いました。その活動の原点から、数々の経験、そして未来への熱い想いまで、率直な言葉で語っていただきます。
イ: 上地さん、本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、まずは現在どのような活動をされているのか教えていただけますか?
上地: はい、よろしくお願いします。私は経営コンサルタントとして、主に社員数1名から30名規模の法人様向けに、企業の数字、つまりお金を増やすことと、人の理想化、社長の思いと会社の思い、そして社員の思いのベクトルを整えるといった活動をしています。
「どうしたら良くなるか」― 探求心の原点と学生起業
イ: 現在の活動に至る原点のようなものは、子供時代や学生時代にあったのでしょうか?
上地: コンサルタントという仕事自体は大人になってから知ったのですが、振り返ってみると、昔から新しいものや「どうしたらもっと良くなるか」と考えることが好きでした。例えば、チョロQのモーターを改造したり、ガンダムのプラモデルにプラ板を貼って工夫したり。周りと同じことにはあまり興味がなく、挑戦することが好きでしたね。手先が器用だったり、本を読んで改善したりすることが、今の仕事にも繋がっているのかもしれません。年間300冊ほど本を読みますし、新しいAI技術なども積極的に学んでいます。
イ: 学生時代には起業も経験されたとか。
上地: はい、大学院時代に飲み代が欲しくて(笑)。当時はホリエモンさんやサイバーエージェントさんなどが出てきた頃で、ホームページ制作に目をつけました。1万円でペラ1枚のホームページを作ります、そしてその1万円でお店を使います、さらにクーポンでビール1杯つけて集客にも繋げます、という提案をしたら、10件営業して10件契約が取れたんです。それがきっかけで広告出版の道に進み、学生起業家としてスタートしました。
挫折と転機 ― コンサルタントへの道
イ: その事業から、現在の経営コンサルタントへは、どのような経緯があったのですか?
上地: ホームページ制作事業は20代半ばから30代半ばにかけて順調でしたが、ブログなど新しい流れが出てきて、心身ともに病んでしまい、体を壊して倒れてしまいました。組織も5名から1人になり、本当に迷惑をかけました。その時、これまでの経験、特に自分が失敗した経験を活かせないかと考えたんです。そこで思い至ったのが経営コンサルタントという仕事でした。
イ: コンサルタントというのは、資格がなくても名乗れる仕事ですよね。
上地: はい、手を挙げた瞬間からコンサルタントです。ただ、お客様に支持されるかされないかがビジネス。私は、コンサルタントにはティーチャー型とパートナー型があると思っています。ティーチャー型は知識を教えるコンサル。でも今はチャットGPTが答えてくれます。私が目指すのはパートナー型で、答えを知っていても、そこに至るまでの道を一緒に伴走し、寄り添う。情報提供だけでなく、状態の提供を心がけています。
やりがいと試練 ―「あり方」を問われた日々
イ: 経営コンサルタントとしての、一番のやりがいは何でしょうか?
上地: まずはクライアント様の粗利額が上がり、お金の不安がなくなった時の経営者の安堵した顔を見ることですね。そしてもう一つは、社長だけでなく社員の皆さんが一つになって「やりましょう!」という声が上がった時。これはたまりません。アフリカのことわざで「早く行きたければ一人で行け、遠くに行きたければ仲間と行け」という言葉がありますが、まさにそれを実感する瞬間です。
イ: 反対に、この仕事ならではの大変さや、一番きつかった経験は?
上地: やはり人と人との向き合い方ですね。言葉の使い方一つで相手を傷つけてしまうこともあります。大きな失敗としては、昔、お金が欲しくて身の丈に合わない仕事を受注してしまったこと。契約がゴールになってしまい、お客様の期待に応えられず、信用を失いました。その経験から、事前期待のマネジメントと、自分の「あり方」がいかに重要かを痛感しました。できることとできないことを正直に伝え、覚悟を持ってお客様と向き合うようになりました。
イ: 「やり方よりあり方」という言葉をよく口にされていますね。
上地: はい。あるコンサルタントの方に「上地さん、契約がゴールになってない?」と指摘された時、本当に恥ずかしかった。口では綺麗事を言っていても、結局お金儲けに走っていたんです。お金は大事ですが、お客様から大切なお金を預かる以上、その会社の未来、お客様、取引先、社員、地域、株主といった「五方良し」の成長に貢献できているのか。自分の行動が本当に会社のためになっているのか、それとも自分のためだけなのか。それを常に自問自答し、「あり方」がブレないようにしています。
支えとなるもの ― 家族と不朽の名著
イ: 仕事で道に迷ったり、立ち止まったりした時、立ち返る指針のようなものはありますか?
上地: 家族ですね。51歳になって、改めてそのありがたさを感じています。双子の子供たちが県外の大学に行き、妻と二人きりになったことで、改めて夫婦として同じベクトルを向いていることを実感しました。一番辛かった時期も隣で支えてくれたのは妻です。感謝しかありません。
イ: 影響を受けた本や人物がいらっしゃれば教えてください。
上地: ジェームス・アレンの『原因と結果の法則』です。「今自分に起こっている現実は、過去の行動と考え方が全て繋がっている」という考え方。失敗も成功も、全て自分が選んだ道の結果だと。そして、稲盛和夫先生の書籍も大きいです。学生起業の時に出会い、「実学」として数字や粗利とちゃんと向き合うことの大切さを学びました。この二つは、20代の頃から今も超えられない存在ですね。
未来への挑戦 ― 沖縄から全国へ、そして仲間と共に
イ: 上地さんのこれからの挑戦や目標、夢についてお聞かせください。
上地: まずはコンサルタントとして、沖縄から全国に行けるような存在になること。そのために常に学びを忘れず、特にAIは最高の伴走者だと思っているので、うまく活用していきたいです。そして55歳までに、上地康史の経営コンサルタントとしての「あり方」と「正しいやり方」を構築したい。それを全国の仲間と共に「ファインディング・ジャパン」として広げていきたいですね。そのために、地域貢献として勉強会なども行い、アウトプットの場を増やし、自身の質も高めていきたいと考えています。
イ: お付き合いが下手だとおっしゃっていましたが、仲間との連携も視野に?
上地: はい、社会人経験がなく学生起業したので、コミュニケーションが下手なんです。でも、これからはもっと仲間と上手くユンタク(おしゃべり)できるようになりたい。苦手なことにも挑戦していきたいですね。
次代へのメッセージ ― 行動と成長
イ: 最後に、この記事を読んでいる若い世代や、これから何かを始めようとしている方々へメッセージをお願いします。
上地: どの職業に就くか、いろんなことが試せる時代です。周りが成功したからと真似するのではなく、自分サイズの成長を大切にしてほしい。そして、とにかく行動すること。行動すれば100%成功するとは言えませんが、行動することによって100%成長します。その成長が糧となり、きっと未来の自分を助けてくれるはずです。
イ: 上地さんのお話は、ご自身の経験に裏打ちされた言葉が多く、非常に説得力がありました。特に「やり方よりあり方」「行動すれば100%成長する」というメッセージは、多くの読者の心に響くのではないでしょうか。本日は貴重なお話を本当にありがとうございました。
上地: こちらこそ、ありがとうございました。
イ: 上地さんの今後の活動について知りたい方や、相談を希望される方は、Facebookで「上地康史」と検索してメッセージを送ってみてください。