NPO法人Mirai Kanaiがお送りする「ミラクルモンスター(ミラモン)」。この番組では、ユニークな経歴や珍しいお仕事をしている方をゲストにお招きし、その道のりや考え方、夢中になっていることをとことん深掘りしていきます。この番組は、未来と夢は必ず叶うという思いを込めたNPO法人未来、まゆ咲子フリ袖グラムの提供でお送りいたします。
本日のミラクルモンスターは、現在北谷町長選挙に立候補されている、玉城佐恵子さんです。
玉城 佐恵子(たましろ さえこ)プロフィール

株式会社琉佐美役員(姉と共同起業)で、県内に9店舗を展開するネイルサロンの経営者です。福祉ネイルやアスリートネイルなど専門性の高い事業を展開し、特に巻き爪ケアでは高齢者から「杖を置いて帰る」ほどの感謝を受けるなど、地域福祉に貢献しています。
84名のスタッフ(ほとんどが女性)を率いており、ネイリスト養成事業(県の委託事業)を通じて、行政と民間の間に存在する課題を痛感。この経験から「世の中を変えたい」と強く決意し、北谷町長選挙に完全無所属で立候補しました。
彼女は、議会でのしがらみを避けるため、トップの長(ちょう)に挑戦しています。得意とする「つなぎ」の役割を活かし、子育て世代の支援、高齢者の孤立を防ぐ地域ぐるみでの活動、さらには地産地消の推進などを掲げ、「失うものはない」という覚悟で町政の課題解決に挑んでいます。
玉城佐恵子Instagram(演説やイベント情報はインスタをチェック)
https://www.instagram.com/tamashiro_saeko?igsh=MXE0Y2Frd3B3cHV6ag%3D%3D&utm_source=qr
インタビュー本編
イ: 早速ですが、玉城さん、まずはリスナーの皆さんに今どんな活動をされているのか、自己紹介をお願いできますでしょうか?
玉城: はい、玉摩最子は今、北谷町長選挙の絶賛選挙活動中でございます。今日も朝一で演説をしてきました。
イ: なぜ今回、町長選挙への出馬を決意されたのでしょうか?
玉城: 私は今、姉と一緒に起こした株式会社琉佐美を運営しておりまして、県の委託事業としてネイリスト養成スクールを開講しています。そこで卒業した生徒さんの就職面談をするのですが、親御さんが生活保護を受けている場合、生徒が就職するとお母さんが生活保護を受けられなくなるといった話になるのです。頑張って手に職をつけて働いても、親を支える社会にならないのはおかしい、と感じました。娘が頑張っている姿を見て親も意欲が湧いて、世の中に出ていくという循環が必要です。民間企業と行政がマッチングし、民間の方たちの声がしっかり届くような行政にしたいとずっと思っていました。
イ: それをすぐにではなく、「今」決断されたのはなぜでしょう?
玉城: 15年後、20年後ぐらいかなと思っていたのですが、その頃になると私自身の価値観が若い方と合わなくなるかもしれないという懸念がありました。「誰かを待ってたら誰も出ない」となるので、今、自分自身でそこを切り開いていこうと決意しました。
イ: 驚いたのは、町議ではなく、いきなりトップである町長に出馬された点です。
玉城: 議会を一期やると、どうしても横の関係やしがらみが出てきてしまうのではないかと考えたからです。今回はここを勝たせたいからこうしよう、といった動きが出るのではないかと。私はもうしがらみがない間に、選挙活動を通じてもしっかり意見が通るようにトップに挑戦しようと決めました。
イ: 周りの反応はいかがでしたか?
玉城: すごい無謀だって周りからは言われます。誰にも相談せずにポンと出てしまったので、一番身近な母は「また冗談言って」と、当初は信じていませんでした。表明記事が出た時に「あれ、本当だったの?」という感じでしたね。そこから皆さんが少しずつ歩み寄ってくれて、応援団が増えてきたところです。
イ: 挑戦するにあたって、玉城さんの中で葛藤はありましたか?
玉城: 世の中が変わるのをずっと待っていたのですが、みんな忙しい中で、「あれ、私の方が今ゆとりがあるんじゃないかな」と思って、決断しました。別に失うものもないので、今、自分が一番この課題に対してマッチした人だと感じています。
イ: 子供の頃や学生時代に興味を持っていたことは?
玉城: 目の前の興味があるものをとにかく全部試しました。生物だったり、部活でキャプテンをやったり。
イ: 今の活動に繋がっていると感じることは?
玉城: 部活のキャプテンとして、コーチとメンバーの「つなぎ」のポジションが、自分は得意だと思っています。会社経営でも「つなぎ」のポジションが好きだと感じています。だから県知事ではないんです。トップでも横の繋がり(隣の市町村など)ができるので、そこを私の得意分野として生かしていきたいと考えています。
イ: 社会に出て最初に選んだお仕事は何でしたか?
玉城: 動画制作です。専門学校がデジタルクリエイターだったので。今回も、選挙のチラシや名刺の半分ぐらいは自分で作っています。
イ: ネイルサロンを始めたきっかけは?
玉城: 26歳頃から始めました。もともとベーシストとして活動していて、ライブのたびに爪が割れるのが悩みでした。爪を強くする方法を探していくうちに、爪が可愛いとモチベーションが上がるということに気づきました。爪は視界に常に入っているので、モチベーションが上がって何でもやる気が出て、行動や所作も変わってきます。
イ: 今のお仕事(ネイル事業)のたまらなく面白い瞬間、やりがいは何ですか?
玉城: 年配の方が巻き爪で足が痛くて杖をついてサロンに来て、30分ぐらいの施術が終わって「はい、立ってみてください」と言うと、痛くなくて杖を置いて帰るという瞬間です。ビフォーアフターの写真を見せると、「こんなになるわけ?すごいね、今の技術ね」と喜んでくださるのが、たまらなく嬉しいです。
イ: アスリートネイルとはどのようなものですか?
玉城: 爪を強くするネイルのケアメンテナンスです。野球の投手などは爪が割れやすいので、爪の微調整や補修を行います。サッカーやバスケの選手も足の爪が内出血していることが多いです。爪がなくなると走る時に力が入らない。昔の拷問(爪を剥ぐ)が理にかなっているように、爪は体のバランスを取る上で非常に大事なのです。
イ: ネイルサロンは現在何店舗展開されていますか?
玉城: 県内に9店舗あります。最北端は嘉手納で、拠点としては北谷です。
イ: この仕事ならではの大変さや難しさはありますか?
玉城: 福祉ネイルで言えば、本当に十人十色の個性ある足の爪なので、毎回見たことない爪が来るんですよ。経験を重ねて数をこなすことが大事です。大変ですが、それもワクワクします。
イ: 仕事をする上で、これだけは譲れないという価値観は何でしょうか?
玉城: 会社はチームプレイだと思っています。うちのスタッフはみんな仲が良く、「子供の迎え間に合わなさそう」と言ったら「変わるよ」「迎え行こうか」と助け合っています。一人が目立つのではなく、チームで動いていくこと。技術のことも大事ですが、やはり仲間を大事にして、お互い助け合いながらやっていくことです。
イ: もし道に迷ったり、決断に悩んだりしたときに立ち返る指針はありますか?
玉城: 「とにかく全部やってみたら?」と思います。それが絶対経験として、点と点が繋がる瞬間が日々あります。迷うという感覚は私にはなく、合わなかったら切り返せばいい。そこに経験値が生まれるからです。
イ: インスピレーションの源として影響を受けた本はありますか?
玉城: ナポレオンヒルの『悪魔を出し抜け』という本を読んでから、マインドが変わりました。世の中の裏側みたいなものが全部綴られた古い本です。
イ: 今後達成したい大きな目標や、町長になったら実現したい未来の北谷町像を教えてください。
玉城: やりたいことはたくさんあります。長になったら、皆さんの意見をしっかりブレずに議会に持ち込むことができます。私は仕事をしていて、毎日いろんな方に会え、爪を治して喜んでもらえるこの循環が「よし、今日も仕事だ」という目覚めになっています。それをみんなにも感じてほしい。高齢の方もすごいスキルがあるのに孤立して家にいる状態なので、自分の持ち味を外で生かせるようにしたい。
イ: 具体的にはどのような仕組みを考えていますか?
玉城: 高齢者の方が外に出てボランティア活動などをすることで成果化し、その成果を地域で使える商品券(ポイント)として還元されるような、ゲーム感覚でワクワクしながら朝を迎えられるような町民の集団にしたいのです。
イ: 北谷町の特徴をどう捉えていますか?
玉城: 古き良き民家も残っている一方で、アメリカンビレッジもあります。本当にハイブリッドな町だと思っています。東と西、若い世代と年配の方が分断されるのではなく、バランスを取りながら飛躍していきたい。ただ、北谷町は地価が高騰しており、若者が少ないので、もっと若者を誘致して、バランスを取っていきたいです。高齢者が若い子たちのケアをするなど、地域ぐるみでやらないと。
イ: 偏りを避けるため、特に注力したいことは?
玉城: 新しいものばかり入れるのではなく、ちゃんと補強しながら、新しいものと古いものを融合させていきたいです。また、北谷町は農家がなく、食べ物が確保できないエリアです。地産地消の生産性を上げないといけません。ビルの中でUVライトをつけて水耕栽培をし、車椅子の方でも作業ができるようにすることで、人と触れ合い、孤立を防ぎたい。
イ: 地元企業やNPOとの連携についてはいかがですか?
玉城: 今後、企業を超えたエリアで活動していきたいので、横の連携が非常に重要です。NPOや行政、企業、そして住んでいる方々との平等な話し合いをしたいのです。どっかの企業が強いからとか、特定の政党が強いからとかではなく、いい意見を持っている方はたくさんいるので、意見を出し合いたいです。
イ: 町長になったら、町民と直接話せる場を作る予定はありますか?
玉城: はい。週に1回は最低でも、町長と直接話せる時間を絶対作りたいです。企画書を持ってきて直接渡せる、というような。時間は1人何分と決める必要があるかもしれませんが、アイデア豊富な皆さんの意見を聞くことはとても大事です。
イ: 最後に、選挙期間中、今特に力を入れていることは?
玉城: 演説です。人前でしっかり自分の意見を述べるのが苦手なところだったので、今頑張っているところです。地元の方が「ここでやってるよ」と教えてくれるなど、人づてに聞いて探り探りやっています。
イ: 応援したいリスナーに向けてメッセージをお願いします。
玉城: やりたいことがあるというのは本当にすごいことです。やりたいことがわからないという方も、例えば県の訓練(ハロワを通じた訓練)など、無料でできる仕組みがあります。少しでも気になることは、「ちょっと気になるんじゃないかものレベルでいい」ので、一度応募してみて、挑戦してみた方が、自分と向き合うためにも良いと思います。
イ: 爪が大事だという点について、改めてメッセージをお願いします。
玉城: 爪は本当に体の一部として大事です。小指の爪がなくなっただけで骨盤が歪んだり、全てに影響が来るので、足の爪、手の爪も含め、「たかが爪、されど爪」というのを忘れずに生活していただけたら嬉しいです。
イ: 玉城さんの活動について、チェックしてほしいウェブサイトやSNSがあればお願いします。
玉城: 「玉城佐恵子」でInstagramもやっています。選挙に出たことない人がどうやって一歩ずつやったか、というのを今後まとめ、どなたでも「こういう流れで選挙出場するんだ」ということが分かるようなサイトにしていく予定です。したいけどやり方わかんない、が普通だと思うので、提出書類などもお伝えできたらと思います。
【解説】 玉城(玉摩)氏の挑戦は、企業経営を通じて得た「現場の課題」と「チームプレイの重要性」 を政治の場で実現しようとするものです。彼女が強調する「爪の重要性」は、足元(基礎、地域)のケアこそが全体のバランス(町政)を保つという、彼女自身の政治観を表すメタファーとして機能しています。また、特定の勢力に属さない「完全無所属」 にこだわるのは、しがらみなく、民間や町民の「つなぎ」役 として機能したいという強い思いからです。

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