本日は、NPO法人Miraikanaiがお届けする番組「ミラクルモンスター」より、ユニークなキャリアを持つ素敵なゲスト、長濱あきの氏との対談をお届けします。彼女の型破りな人生観とビジネス哲学に迫ります。

長濱 彰乃(ながはまあきの)
◇うるま市出身
◇一般社団法人ALLforONE 代表理事
◇沖縄市美東地区民生委員・児童委員(地域の相談委員)
◇先天性心疾患の病児ママ
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長濱あきのさんのご紹介と現在の活動
イ:長濱さん、本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、現在の活動について自己紹介をお願いします。
長濱:はい、長濱あきの、40歳です。沖縄の山内で、振袖レンタル、ドレスレンタル、そして歯のホワイトニングショップを経営しています。
幼少期から芽生えた「お金」への意識
イ:長濱さんの子供の頃や学生時代は、どんなことに興味がありましたか?
長濱:何も興味がなかったですね。ただ、ものすごくお金を稼ぐことに熱心でした。小学2年生で牛乳配達のアルバイトを始めて、月給5,000円稼いでいましたよ。
イ:それはすごいですね!現在の活動につながる原体験はありますか?
長濱:そうですね。おばあちゃんの家でよく小銭を盗んでみんなにおごっていました(笑)。
初めての社会経験:工場勤務から接客業へ
イ:社会に出て最初に選んだお仕事は何でしたか?
長濱:工場だったと思います。お菓子の製造業で、沖縄や仙台などのお土産用クッキーを2時間ごとに流れ作業で作っていました。機械が動いている間はほとんど喋らず、トイレにも行けないような環境です。8時間フルタイムで工場作業をした後、接客業もしていました。10代の頃から、喋って稼ぐ仕事と、喋らずに稼ぐ仕事の両方を経験しています。
イ:幼少期から、すべて「お金」というキーワードに繋がっているように聞こえますね。
長濱:そうですね。社会人とは、金稼ぎをするものだと思っていますから。
「経営者になる」という幼い頃からの決意
イ:その経験は、今の経営にどう繋がっていますか?
長濱:14歳の時に、必ず自分は経営者になると決めていました。そして16歳でアパート経営をしようと決めたんです。
イ:16歳でアパート経営ですか!
長濱:はい。だから、その目標に向かって、色々な「下積み」を経験しました。仕事を選ぶ基準は、すべて「お金を稼げるか稼げないか」でしたね。安い時給で働いたことは一度もありません。
キャディ経験から得た人生の教訓
イ:キャディさんのお仕事もされていたそうですが、ゴルフを知らない方に説明するとしたらどんなお仕事ですか?
長濱:キャディは、ゴルファーが気持ちよくゴールを目指せるようにアシストする役割です。欲しいものを欲しい時にさっと差し出せるように、その人の性質を見抜く仕事だと私は思っています。行動的には「奴隷」のようにボールを探したり、拭いたりもします。ルール上は、求められない限りキャディから口出しはできません。
イ:今と真逆のようですね。今は求められる前に話しますよね。
長濱:そうですね。当時はとても「できるキャディ」でしたよ。純粋だった頃の話ですが。ゴルフは人生と一緒なんです。自分のことを進めないといけないけれど、周りも良くしないと前に進めません。自分のことを後回しにして誰かを助けることもありますが、助けたからといってその人が必ず前に進めるわけではありません。皆でゴールを目指すスポーツなので、キャディはその伴走者です。
経営への大きな一歩と初期の葛藤
イ:キャリアにおいて決定的なターニングポイントとなった出来事や決断はありましたか?
長濱:私にとっては、日々のすべてがターニングポイントのようなものですが、最終的に経営に踏み出すきっかけとなったのは、ある本を読んだことでした。堀江貴文さんの『バカとつき合うな』という本です。
イ:堀江さんの本ですか!
長濱:はい。あの本を読んで、「堀江さんがやって成功しているなら、私もできるな」と直感的に思ったんです。今考えれば超バカだと思いますが、「私にもできる」と思わせてくれた本でした。
イ:起業しようと思った時、周囲の反応や葛藤はありましたか?
長濱:始める時、葛藤はまったくなかったですね。私は「アホ」なので、できるとしか思っていませんでした。ただ、スタートで大きな融資を受けたのですが、融資が決まってから法人を立ち上げたんです。最初に5,000万円借りることができました。
イ:最初の融資で5,000万円はすごいですね!
長濱:通帳に大きな数字が並んでいるのを見て、態度まで大きくなりましたよ(笑)。しかし、経営がスタートしてからは、葛藤だらけでした。やればいいことをやっているのに結果が出ない。広告を出したりチラシを撒けばすぐにお客さんが来ると思っていたのに、まったく結果が出ない。どうしたらいいか分からず、よく泣いていましたね。
イ:それをどう乗り越えたのですか?
長濱:泣いても現実は変わりませんでしたね。同時期にコインランドリーをオープンし、その2週間後にはレンタルドレスの店舗も開きました。何の計画もないまま契約し、200万円かけて内装工事を進めたりしていました。最初から2つの店舗を同時に動かしていたんです。
仕事の「やりがい」とお金へのこだわり
イ:現在のレンタルドレス、振袖レンタル、ホワイトニングのお仕事で、「たまらなく面白い」と感じる瞬間や「やりがい」は何ですか?
長濱:私の仕事は人と喋ることなので、人と喋っている時が楽しいですね。あとは、やっぱり「結果」が出てきた時です。
数字として結果が目に見えてきたり、形がなかったものが物質化して見えてきた時に面白さを感じます。
以前、接客業をしていた頃は、「接客が素晴らしい」と褒められたり、キャディ時代にはチップをもらったりと、目に見えて評価されていました。
しかし、経営に移ってからは、お客様に喜んでいただいても、それがすぐに数字に繋がらない時期がありました。
周りからは評価されていても、物質的な「形」として得られるものがなく、苦しかったですね。それが、ちゃんと数字という結果になって現れた時は、やはり面白いと感じます。この程度の時間と労力で、これくらいのお金になるんだな、と。
結局、私のやりがいは「お金」ですね。小学2年生の時から、一貫してお金がモチベーションです。
最大の課題:人材育成
イ:仕事で大変だと感じることや、難しかった経験はありますか?
長濱:一番難しいことは「人材育成」です。自分が当たり前だと思っていることを、言語化したり、見える化できていなかったと気づきました。経営者にはこれが一番必要なのかもしれません。お客様を大事にすることは私にとって当たり前で、コンビニの店員さんなど、お客様でなくてもすべての人を大事にしたいと思っています。
イ:人材育成は得意ですか?それとも苦手ですか?
長濱:まだうまくはないですね。ですが、必ずうまくなると分かっています。人材育成自体が好きですし、人も好き。自分が人に対する「思い」そのものが好きなんです。だから、今は結果が出ていなくても、きっとうまくできるようになると思っています。
譲れない価値観:相手の利益を最優先に
イ:普段の仕事で譲れないことや、大切にしている価値観はありますか?
長濱:「相手の利益を取らない」こと、つまり、「相手に利益を生む」ことを大切にしています。店員だからといって自分の権利を主張するようなことはしません。
人生の迷いと「迷うことこそ成功」の哲学
イ:道に迷ったり、立ち止まったりした時に立ち返る指針はありますか?長濱さんが迷うことはなさそうですが…。
長濱:いえ、毎日道に迷っていますよ。でも、迷っても元に戻そうとはしませんし、戻りたいとも思いません。「迷いを楽しむ」んです。
そもそも正解のない道を進んでいるので、結果は未来にしか分かりません。
私の性格上、どんなに大きな失敗も自分で「正解」にねじ伏せてきました。
迷っているけれど、それが嫌ではないんです。迷わないことが正しいとは思っていませんから。
「迷わないことが失敗」だと思います。
迷わないということは、行動していない可能性が高い。
そして、迷いがない時というのは、大抵「調子に乗っている」時です。
この道が正しい、あの道は正しくないと自分で判断し偏っている時、その判断自体が失敗なんです。
イ:では、今の長濱さんは大丈夫ですか?
長濱:今は大丈夫ですね。私は「頑張ろう」と思って何もやっていないんです。頑張ろうとしなければ続かないけれど、自然体でいれば苦しくもない。そう思っています。どんなにきつくても、私からは絶対に白旗を上げたり、歩いたりしません。
イ:多くの人は目の前のことばかり見がちですが、何かメッセージはありますか?
長濱:「好きに生きろ」ですね。目の前のことを見すぎている人が多いのは確かですが、目の前を見すぎた経験がなければ、遠くを見ることはできません。
だから、目の前を見すぎている時は、それで良いと思います。
その経験があるからこそ、次があり、遠くも見えるようになるんです。 形にしたい思いがあるなら、一旦「物質化」して出してみることも大事です。
今はできない状況でも、言ってみる。言えば叶うという簡単な話ではないですが、一旦出しておかないと何も始まりません。
今すぐ形にならなくても、無理に焦って形にしようとせず、「今はその時じゃないんだな」と一旦置いて寝る。そうすれば、いつか「これだ!」というタイミングが来ることもあります。本心でやりたいことなら、必ず形になる時が来る。そう信じています。
今後の目標と社会への野望
イ:今後の活動について、挑戦してみたいことや達成したい目標はありますか?
長濱:挑戦はあまり思い浮かばないですが、達成したい目標はあります。「1店舗で月商1,000万円」です。これは、コンサル業や不動産業抜きで、店舗経営で月に1,000万円稼げるという実績を作りたいんです。
イ:それはいつ頃を目指していますか?
長濱:今年の8月か9月、つまり来月か再来月には一旦達成したいと思っています。そのために、今は必ずお客様の接客を私がするようにしています。社員任せでは10年後になってしまうかもしれないので、早急に実績を作るために一番心がけています。 この1,000万円は、あくまで通過点です。一度その景色を見ておけば、もし売上が落ち込んだ月があっても、どう埋めようか、他に手があるという可能性が見えてくるからです。
イ:その先に、何か大きな野望はありますか?
長濱:個人的な「野望」はあまりないですね。自分がどうなりたい、どうしたいというのは、何もないです。
イ:では、何があるのですか?
長濱:一番強いのは、「本物が生きられる社会にしたい」という思いです。有名な環境活動家が言う「買い物は投票だ」という言葉が好きで、一人ひとりが経済を回すことを考えられる世の中になれば、本物が残るはずだと信じています。私が死んだ後でも良い、100年後でも良いのですが、私が生きているうちに縁があった人たちがたくさん稼いで、たくさんの時間を自由に使えるような世の中にはしたい。そこに私自身が「やったぞ!」と旗を掲げるようなイメージはありません。
視聴者へのメッセージとイベント告知
イ:最後に、長濱さんのようなユニークなキャリアに憧れている方々へメッセージをお願いします。
長濱:「ならない方がいいよ」(笑)。大変ですよ。でも、結局、誰にもなれないんです。だから、自分らしく「好きに生きろ」と伝えたいです。無理して頑張ろうと思わずに、自然体でいれば、それは苦しくもありません。目の前のことばかり見がちな人も多いですが、その経験があるからこそ、遠くも見えてくるようになります。形にしたい思いがあれば、まずは声に出して物質化してみてください。今すぐできなくても、必ず形になる時が来るはずです。
イ:ご自身の活動で、今後のイベント予定やチェックして欲しいウェブサイトはありますか?
長濱:私の活動自体には告知はありませんが、ずっと関わっている「小児がんイベント」があります。9月に大きなイベントをうるま市で開催します。NPO法人Miraikanaiにもいる荒川ゆみちゃんという子が、小児がんの子供たちが住みやすい未来を作るために、すごい熱意を持って運営してくれています。このイベントを成功させたいので、ぜひ「スマイルアクションイン沖縄」というInstagramをチェックして、時間が許す方は9月7日以降に開催されるイベントに来てみてください。
イ:長濱さん、本日は貴重なお話をありがとうございました!
長濱:ありがとうございました!
長濱あきのさんの型破りながらも本質を突く言葉の数々は、私たちに多くの気づきを与えてくれました。NPO法人Miraikanaiでは、長濱さんのような面白い方を応援し、地域を元気にしたいという企業様や個人様のスポンサーを募集しています。詳細はNPO法人MiraikanaiのウェブサイトやSNSをチェックしてください。