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【インタビュー】難病と闘う車椅子のシンガー! 謝花勇武が語る「全てをやってみよう」と決めたターニングポイント


はじめに
NPO法人Mirai Kanaiがお送りするミラクルモンスター。パーソナリティーのズケヤマセイラです。今日もちょっと変わった面白いキャリアを持つ素敵なゲストをお迎えし、その方のストーリーを深掘りしていきます。さて、今日お迎えするミラクルモンスターは、車椅子のシンガー、謝花勇武さんです。


ゲストプロフィール


ゲスト名:謝花勇武(じゃはないさむ)

プロフィール:脊髄性筋萎縮症という筋肉がどんどん衰えていく難病を持つ
学生の頃から作詞作曲編曲を独学で学び、音楽作る事が大好き
訪問介護の会社「ケアあいしてる」の代表。
全身性の重度障害者ながら現在は施設ではなく、アパートを借りて自立した生活を送る

Instagram:https://www.instagram.com/isamujahana?
ケアあいしてる(愛してる合同会社):https://aishiteru.co.jp/greeting-company/


インタビュー


:さあここからはお待ちかね、本日のミラクルモンスター、謝花勇武さんをお迎えします。
謝花さん、こんにちは。ようこそ。

謝花:こんにちは。よろしくお願いします。

:早速ですが、謝花さん、まずはリスナーの皆さんに、今どんな活動をされているのか自己紹介をお願いしてもいいですか。

謝花:はい。ラジオではちょっと伝わりにくいんですけども、車椅子で生活しています。

脊髄性筋萎縮症という病気で、筋肉がどんどん衰えていく難病です。

全身性の重度障害者と言われる部類になります。施設で過ごすのではなく、今は自立して社会でアパートを借りて過ごしています。

その中で、作曲しながら音楽の歌を歌う活動をしています。あとは、去年、「愛してる合同会社愛してる」という訪問介護の会社を立ち上げました。


車椅子シンガーとしての現在とルーツ

:子供の頃や学生時代は、どんなことに夢中になっていましたか。

謝花:保育園に行くと虐められたりもしたので、家の中でポンキッキーを見て過ごしていました。小学校からは、今の特別支援学校にあたる養護学校(西原の森川)に通っていました。

体が不自由なので、できることだったら何でもやりたいという興味があり、パソコンだったり、電動車椅子を使ったスポーツだったり、いろんなことをしました。

難病の割には声が大きかったこともあり、音楽にも興味がありましたね。施設にいた頃は、洋楽からアニソンまで、みんなが聞いている音楽をずっと聞いていました。

:社会に出て、最初に就いたお仕事は何でしたか。

謝花:社会に出て、自分で営業を回ってホームページを作れる技術をつけたり、あとはパソコンでデータ打ち(データ入力)を行いました。障害者は通勤が難しかったり、体調によっても難しかったりするので、自宅でできるものを探しました。

一番覚えてるのが、久米島マラソンの名簿作成で、一人一人住所と名前と出走番号を入力していました。その経験から、自分にもやればなんでもできるのでは、という勘違いが起こっています。

久米島マラソンは時給がめちゃくちゃよかったから毎日やればいいのにと思いました。笑


人生の大きな転機と挑戦への姿勢

:電動車椅子との出会いも大きな転機だったそうですね。

謝花:革命ですね。障害者にとっては革命で、もうどこにでも行ける、と思いました。初めて電動車椅子に乗って、宜野湾から長田のマックに行って、ポテトをめっちゃ食べました。

:そして、今の活動につながるような「これが大きな転機だった!」と思える出来事や決断について教えてください。

謝花:何度か、ただの風邪などで死の淵を歩きました。音楽活動を一旦やめていた時期があって、ヘルパーさんの体制を整える必要があったりして、うつ状態みたいになっていたんです。

何のやる気もなかったんですが、死んでもいいかなと思った時に、「でも死んだら何もできなくなるな」と思いました。その時、「全てやってみよう」と思ったんです。どうせだったら死ぬならいつでもできるなと思って、それなら何でもできるかなと思ったら、どんどんできてしまいました。

:「転機」の際、どんな気持ちでしたか。

謝花:「こんな身体を使ってなんでも挑戦できる!成功や失敗は関係ない、挑戦できる事が幸せなんだ」と思いました。

:挑戦を始め、自分の思いや描くことが現実になったときが、「たまらなく面白い!」と感じる瞬間だと伺っています。

謝花:はい、自分の思いや描く事が現実になったときですね。

:ご自身の考え方や仕事のスタイルに影響を受けた「本・映画・音楽・人物」などがあれば教えてください。

謝花:映画『ショーシャンクの空に』が好きで、何回か見ます。無理と言われている環境から、自身の強い想いと行動で変えていくところに影響を受けました。


訪問介護事業と大切にしている価値観

:訪問介護の会社を立ち上げたきっかけは、福祉業界でのヘルパー不足だったそうですね。

謝花:はい。ヘルパーさんが不足すると、やりたいこと(ライブなど)ができない、ということが一番のストレスだったので、それなら自分で全部作ってみよう、自分の良いようにヘルパーさんを配置してみようと思い、会社を起こしました。

:訪問介護のお仕事でのやりがいは何ですか。

謝花:スタッフに任せていますが、障害を持った方の環境があまりよろしくない場合が多く、「こんなした方がいいよ」とアドバイスしても、環境を変えられるのが怖くて変えたくない方もいます。そういった方々の人生のクオリティを良い方向に上げていくことに、「いい仕事してるな」と感じています。

:音楽活動のやりがいは。

謝花:自分は、自分がいろんな人に会うことで刺激をもらえるかなと思ってライブをしています。

自分の体がこういう状態なので、一生懸命歌っている姿を見て、皆さんがポジティブになる部分があるみたいです。

でも、結局他人に何か与えるというより、自分が元気をもらったり、人との輪を広げることが嬉しいんです。

:逆に、仕事ならではの「大変さ」や「難しさ」を感じるのはどんな時ですか。

謝花:人とのコミュニケーションですね。

また、自分の病気自身が筋肉がどんどん衰えていくので、肺活量が減っていくことが心配です。今はボイトレの先生に家に来てもらって、生体の筋肉を作るボイトレや、配活量のトレーニングをしています。

:仕事をする上で、大切にしている価値観やモットーがあれば教えてください。

謝花:すべてを受け入れることです。そして、自分のやりたいことを優先することです。会社では、障害を持った方のやりたいことを優先的にしています。その方の人生が豊かになることを思っています。音楽でも、誰かの真似をするのではなく、自分の突き通したいメッセージを持つことを大切にしています。


難病と闘いながら描く未来の夢

:これから挑戦してみたいことや、達成したい夢はありますか。

謝花:沖縄を巻き込むようなイベントをしたいと思っています。会社もスタッフも利用者もいるので、利用者が関われるような、やりたいことを見つけられるようなイベントです。孤立を防ぐためにも、スタッフとコミュニケーションを取る機会として、みんなで楽しいことをやっていきたいですね。

:大きなイベントを目指しているのですね。

謝花:はい。アリーナも夢で、チャリティイベントなどをしたいと思っています。特に、人工呼吸器をつけているような方はライブハウスなどに行けないので、管理面などを考慮して、そういった方も全部外に出すようなイベントを企画したいです。

:キャリアに悩んでいる方や、これから何かを始めようとしているリスナーに向けて、メッセージをいただけますか。

謝花:やれ。悩んだって仕方ないし、最悪なことを考えたって、最悪なことは起ききったことはないんじゃないかなって思うんです。自分のやりたいことを見つけて、一つ一つやった方が人生は明るくなるし、楽しくなります。自分は全身性の重度障害者で、ほぼ何もできないんですが、幸せなんです。幸せは、自分のやりたいことをやった時が一番幸せなので、人の顔色を伺わず、本当に自分でやりたいことを探していったらいいかなと思っています。

:今回のラジオ出演にあたり、「この話はぜひしたい!」というエピソードとして、謝花さんから、「ちんちんだけは難病じゃないこと」 ということを伺いました。

謝花:はい、そうです。

:謝花さん、本日はお忙しい中スタジオにお越しいただきありがとうございました。

謝花:ありがとうございます。

:また是非お話を聞かせてください。ありがとうございました。


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