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【インタビュー】元バンドマンが映像クリエイターに転身!沖縄を拠点にCM・SNSを席巻するべス男の異色キャリア


ゲストプロフィール

ゲスト名:べス男

  • プロフィール
  • 元ベーシストから映像クリエイターに転身。
  • 現在は、SNSのインフルエンサーのプロデュースや企業SNSのサポート
  • ミュージックビデオ、CM制作などを手掛けている。
  • 企画、編集、撮影の全てに対応する。沖縄を拠点に楽しく活動中。
  • FULLER(フラー)という映像チーム
  • ミュージックビデオやCM
  • TikTokの企画/撮影/編集
  • Adobe ワークショップに講師で参加
  • ocy賞2023CM部門WEB movie賞を受賞
  • URL
    Instagram
  • ベス男 https://www.instagram.com/happy_besuo
  • FULLER https://www.instagram.com/098fuller/


イ:本日のミラクルモンスターは、映像クリエイターのべス男さんです。べス男さん、本日はよろしくお願いいたします。

ベス男:よろしくお願いします。

イ:それでは早速ですが、リスナーの皆さんに今どんな活動をされているのか自己紹介をお願いできますでしょうか?

ベス男:はい、べス男と呼ばれています。元々ベーシストだったので、そのあだ名でずっと「べス男」と呼ばれています。今はベースはあまり弾いていませんが、SNSのインフルエンサーのプロデュースや、企業様のSNSサポート、ミュージックビデオやCMの撮影などを、沖縄で楽しく活動しています。仕事のメインは映像制作で、企画、編集、撮影も全てやります。規模が大きい時はチームで対応しています。



目立ちたがり屋だった幼少期と東京でのバンド活動


イ:子供の頃や学生時代はどんなお子さんでしたか?

ベス男:とてもミーハーでしたね。流行り物が好きで、当時流行っていたものは基本的に最速で買いたいタイプでした。今思えば、アンテナは常に張っていて、すごいミーハーなイメージがあります。あとは、陽気な子供でした。運動会の応援団長のような、目立つ系の活動をしたり、中学生の頃は駅伝に出ていました。

イ:駅伝は走るのが得意だったからですか?

ベス男:元々バスケ部だったので走るのは得意でしたが、駅伝に出ると全校の前で挨拶ができるので、「ちょっと美味しいな」という動機もありました。当時の目的は目立つことだったんです。その目立ちたがりなところや、流行り物が好きだという点は、今も活動に繋がっていると感じます。今は裏方の方が多いですが、誰かを前に目立たせたいという活動に繋がっていますね。

イ:社会に出て最初に選んだキャリアは何でしたか?

ベス男:言っても、社会には出たことがほぼないんです。ずっとバンドをやっていました。大学は卒業しましたが、就職活動はせず、卒業後はすぐに東京へ行ってバンドをやるぞ、という感じでした。身内がやっている飲食店でバイトさせてもらったりはしていましたが、まともな社会経験は正直あまりないです。東京で6〜7年ほど、一生バイトしながらバンド活動をしていました。メジャーアーティストとも対バンさせてもらうくらいまではやっていましたね。例えば、オレンジレンジや10-FEETと2回ほどライブをさせてもらいました。



YouTuberバンドから映像編集者への転身


イ:バンド活動から、映像制作のキャリアへはどのように入っていったのですか?

ベス男:以前、セラさんと知り合った頃にやっていたバンドを辞めて、当時Hikakinさんなどが楽曲を出す時代になってきていたんです。それを見て、バンドマンがYouTubeをやってもいいんじゃないかという逆の発想になりました。それで、仲間を集めてYouTuberバンドを始めたのですが、YouTubeをやるには当然編集ができないといけない。

イ:なるほど、映像制作をやりたかったわけではなく、最初はYouTuberになろうと思っていたのですね。

ベス男:はい、そうです。当時は映像制作には興味もなかったですし、自分にできるとも思っていませんでした。編集は全くできませんでしたが、やるしかないと思い、母親に電話してパソコンを買うお金を借りて、YouTuberっぽいことをし始めました。

イ:そこから映像のノウハウを身につけていったと。

ベス男:そうです。そのYouTuberバンドは、各メンバーの事情もあり解散しましたが、その時、自分にはYouTubeの編集が上手くなっていたという「手元にあるもの」が残っていました。

イ:そのバンド活動の中で、戦略的に動いていた部分もあったと伺いましたが。

ベス男:今までの音楽活動では「とりあえずいい曲作ればいい」と思っていましたが、YouTuberバンドでは戦略的に動きました。例えば、YouTuberに楽曲を無料で提供する代わりに、ミュージックビデオなどをリツイートしてもらうなど。当時はお金がなかったので、自分の時間(制作時間)を相手にあげることしかできませんでした。その結果、YouTuberの友達が増え、彼らが出演してくれたイベントを開いたところ、動員が10分でソールドアウトする180人規模となり、以前の50~60人の3倍になりました。これが初めてのSNSの成功体験でした。

イ:その成功体験が、バンド解散後もYouTubeの編集の仕事で食べていきたいという思いに繋がったのですね。

ベス男:はい。その後、僕の後輩でもあり、当時のYouTuberバンドのスタッフもしてくれていたタケル君が、「YouTubeの編集の仕事があります」と振ってくれたんです。そこからYouTube編集をやるようになりました。最初は4〜5分ぐらいの動画を作るのに12時間ぐらいかかっていましたし、修正もLINEでスクロールが3つ分ぐらい来るほど大変でした。



後輩育成と沖縄への帰郷、そしてチーム「FLARE」の誕生


イ:編集を始めてから、どのような展開があったのですか。

ベス男:1年目で400〜500本ぐらい編集しました。そこから、「俺でもできるなら後輩や友達もできるはず」と考え始めました。当時、バンドマンは髪色やタトゥーなどでバイトができないという問題があったので、「バイトをやめて動画編集をやった方が、結局自分のバンド活動のオフショット動画作りなどに還元できるよ」と後輩たちに話したんです。

イ:後輩の面倒見が良いですね。

ベス男:そうですね。後輩2、3人に編集を教え、仕事を振るようにしました。その結果、2年目は僕自身の実動は300本に減ったのですが、収入は上がったんです。彼らからは手数料として10%もらう形を始めましたが、これによって「こういうことなのか、社会って」と味をしめました。動画の単価が上がったことや、編集が上手くなって作業効率が上がったこともあります。

イ:それは大きな変化ですね。

ベス男:そして、「バンドもやらないし、東京で家で仕事してるなら、沖縄でいいじゃん」となり、28、29歳ぐらいで沖縄に帰りました。2019年頃までは、撮影はしておらず、とにかく編集だけをやっていました。

イ:撮影もするようになったのはいつからですか。

ベス男:2020年からです。その前、2019年に映像チーム「FLARE(フラー)」を立ち上げました。僕自身はカメラを触れませんでしたが、周りにカメラマンになったバンドマンの先輩や後輩がいたので、「せっかく仲良いんだからチームにしようぜ」となったんです。

イ:きっかけは何かあったのですか。

ベス男:2019年にオレンジレンジが「テレビズナイト」というイベントを開催した際、撮影に入らないかと誘ってくれたんです。僕らの周りにカメラマンがいることを知っていて、きっかけをくれたんですね。それでみんなでやってみようとなり、良いものができました。その時にクレジットが必要となり、急遽チーム名を考え、「FLARE」にしようと決めました。

イ:そこから本格的に。

ベス男:2020年頃からTikTokのプロデュースなどを始めるようになり、最初はスマホで撮っていましたが、「一眼やミラーレスの方がいいのでは」となり、少しずつ興味が出てきて、撮影もするようになりました。

イ:現在プロデュースされている方はいますか?

ベス男:はい、ゲイのインフルエンサーのデリバさんと、基本的にずっと一緒にやっています。最近では、沖縄のやんちゃなキャラクターのキャンさんのマネージャーを今年度からさせてもらっています。沖縄を一緒に盛り上げようという流れでやっています。



「自分が面白いと思うか」を追求するクリエイティブ哲学


イ:今のお仕事で、たまらなく面白いと感じる瞬間や、やりがいを教えてください。

ベス男:SNSに関しては、動画をたくさんの人に見られて、コメントとしてリアクションが返ってくる時ですね。やってて良かったなと思える瞬間です。

イ:一方で、仕事の大変さや難しさを感じるのは。

ベス男:必ず再生が取れるわけではない世界なので、自分が考えたネタがあまり再生にいかなかった時は「マジか」って思います。あとは、仕事が増えると脳内のメモリが圧迫されて、企画を考える時に企画が出てこない時があります。SNSの仕事は、CMやMVのように終わったら終わりではなく、常に自分の頭の中にSNSのことがいる状態なので、それが大変ですね。

イ:仕事をする上で、これだけは譲れないと大切にしている価値観はありますか?

ベス男:自分のクリエイティブに関して、「自分が面白いと思わないといけない」という前提があります。音楽活動の時からそうでしたが、納得いってないのに妥協すると、中途半端になって後悔するからです。クライアントの言う通りにして、「絶対この方が面白いのに」というところを譲って結局微妙な結果になった経験が過去にありました。だからこそ、自分を選んでくれているのであれば、ちゃんとこだわりを持って、自分がいいと思ったものを出さないと、良くならないと思っています。

イ:SNSでは、ネガティブなコメントが来ることもありますが、どのようにメンタルを保っていますか?

ベス男:僕は、変なコメントは虫みたいなものだと思っています。虫が寄ってくるみたいなものなので、気にしないですね。コメントをしている間も動画は再生されていますし、コメントが増えることでアルゴリズムが向上するわけじゃないですか。どんな感情でも、こっちからしたらコメントが1件来たら得だという考えです。お金を払って飯を食ってくれれば良いという飲食店と同じで、捉え方次第です。

イ:未知に迷ったり、立ち止まったりすることもありますか?

ベス男:今後、どうスケールアップしていきたいか、という点で悩むことは多いです。僕は考えが1週間後には変わっちゃうタイプなので、どういうふうに自分の持っている武器を活かすか、明確にしないといけないと思っています。

イ:ぶれた時に、フラットに戻す指針のようなものはありますか?

ベス男:変な悪いぶれ方はあまりないので、むしろやりたいことが多すぎてどうしようという状態です。そういう時は、一旦あまり考えないように、ボーっとしたり、物理的にフラットにする時間を作ったりします。

イ:影響を受けた人物はいらっしゃいますか。

ベス男:映像を作る上で参考にするクリエイター(例えば、日清カップヌードルのCMを作っている方など)はたくさんいますが、この人がいないとダメ、という人はいません。ただ、デリバさんは一緒にいてすごいなと思えます。あの人の普段のスタンスが、SNSの本質というか、見た人をハッピーにさせるもので、そうあるべきだと感じています。最近、色々なことをやりたすぎて悩んでいた時に、デリバさんに「一旦そんなん気にしないで面白いものを作った方がいいよ」と言われて、ハッとしました。そこが、ぶれた時の原点回帰になっています。



沖縄の広告業界のポジションを取りにいく


イ:未来の展望について教えてください。

ベス男:今はCMを作ることも少しずつ増えてきているので、沖縄でCMを作るというところで、ちゃんとポジションを取っていきたいと思っています。尊敬するクリエイターはいますが、憧れているだけだと超えられない。大谷翔平選手のコメントを見てそう思ったので、沖縄の広告のポジションをいずれは取りに行きたいです。

イ:具体的には?

ベス男:作ったものが、広告の受賞など目に見えてわかる形で評価されるようなこともしていきたいです。また、僕が関わらせてもらっているインフルエンサーや企業さんを通して、SNSを通じて沖縄を盛り上げたいという思いがあります。沖縄の企業ってこんなのあるんだ、という良さをエンタメに消化して、面白く伝えていきたいです。

イ:その目標に向かう上で、特に力を入れていることや準備していることは?

ベス男:今やっていることをちゃんと頑張っていれば、おのずと目標に近づくと信じています。具体的な何かを変えなきゃいけないことは正直ありません。ただ、トレンドのキャッチや、自分の企画・ディレクションのレベルを上げる努力は必要だと分かっています。やるべきことを着実にやって、勉強もしながらレベルを上げていけば、必ず近づくと思っています。

イ:最後に、自分の進む道に悩んでいる若い世代に向けてメッセージをお願いします。

ベス男:SNSでは「誰でもバズらせられるんですか?」と聞かれますが、人それぞれ武器と個性があると思っています。得意なことや好きなことがない人間はいないはずです。それをフックアップしてみると、自分を発信するきっかけになります。僕自身も、このキャリアに進みたくて進んだわけではありませんし、この業界でちゃんと自信が持てるポジションを築けたのは30代に入ってからです。全然何も遅くないです。だから、今やることがなくて悩んでいても、それはそれでいいんです。結局、自分が何が好きなのかを思い返して、それが何かしらのきっかけになるということは絶対にあると思います。あまり悲観しない方がいいと思います。

イ:ありがとうございました。べス男さんの活動は、ご自身のInstagramなどでチェックできますね。

ベス男:はい。Instagramで「べス」と検索してもらえれば、制作物などを紹介しています。また、デリバさんやキャンさんと一緒に沖縄をより盛り上げていきたいので、どんな内容でも、興味のある企業さんからの相談があれば、InstagramのDMなどにご連絡いただけたら嬉しいです。

イ:べス男さん、本日はお忙しい中、本当にありがとうございました。

ベス男:ありがとうございました。


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