記事一覧

【インタビュー】音楽と日常を織りなす夫婦アーティストの魅力に迫る


こんにちは!NPO法人Mirai Kanaiがお届けする「ミラクルモンスター~ミラモン~」へようこそ。

パーソナリティのズケヤマセイラとミヤギタクマです。

この番組では、ユニークな経歴や珍しいお仕事をしている方をゲストにお招きし、その道のりの考え方や夢中になっていることを深掘り、リスナーの皆さんと一緒に勝手に応援していく番組です。

さて、今日のミラクルモンスターは、長野から来てくれた素敵なアーティスト、JUJUMOさんのお二人です!今日はどんなお話が聞けるのか、本当に楽しみですね。どうぞ、よろしくお願いします!


JUJUMO
ミュージシャン/バンド
https://www.instagram.com/jujumo/

MV「あわい」公開中
✴︎
日々、創る、喜び。
夫婦で音楽創ってます。
Singer ⌇Collage⌇Handmade from Okinawa

CM/TV/映画音楽 etc 

🌑🌕満月新月LIVE「月のおと」次回7/11(金)20:00〜

🍚parlour_de_jujumo
https://www.instagram.com/parlour_de_jujumo/

——————————————————————————–

イ: 本日はよろしくお願いいたします!早速ですが、JUJUMOさん、まずは自己紹介をお願いします。

JUJUMO: JUJUMOの歌い手、エリナです。よろしくお願いします。そして、JUJUMOで歌以外のことを色々やっています、誠です。演奏の時はギターが多いですね。よろしくお願いします。

イ: 誠さんは、エリナさんのマネージャー的な役割もされているのかと思いました。笑

僕らの世代って、結構上のバンドが怖くて声がかけにくかったんですよね。JUJUMOも歌ってる感じとか、妖艶な感じが多くて「やべえ人かな」って(笑)。何年かしてナツキさんの繋がりを通したら、すんなり仲良くなれたので、「通すところ間違えてたのかな」って思ってました(笑)。

幼少期から音楽と共に

イ: では早速ですが、お二人の子供の頃や学生時代に、今の活動につながるような興味を持ったことはありましたか?

JUJUMO: 私は、世界の70%のオルゴールを作っていた「三協精機」という会社の合唱団で、両親が知り合いました。なので、音楽は好きというかね、小さい頃から身近にありました。母も未だに合唱団で歌っていますし、姉が5歳からバイオリンを始めて、今もプロのバイオリニストとして椎名林檎さんや久保田利伸さん、福山雅治さんなど、色々なアーティストのバックで演奏しています。

イ: お二人とも、やはり音楽にはずっと触れてこられたんですね。

JUJUMO: そうですね。僕は習ってはいませんが、中学の頃にガンズ・アンド・ローゼズやヘビーメタルが流行り始めて、「ギターを弾いてみたいかな」と。姉が先にギターを買ったので、彼女はすぐに弾けていましたね。それを見て、自分もやってみたら最初は弾けませんでしたが、しばらくして「そこまで難しくもなさそうかな」と思って練習し直したら弾けるようになりました。

社会人としての第一歩とターニングポイント

イ: 音楽が身近にあった中で、社会に出てから最初に選んだお仕事はなんでしたか?やはり音楽関連だったのでしょうか?

JUJUMO: 私は、イタリアンレストランで働いていました。表参道の良い場所にあって、ワインが300種類くらいあるようなお店でしたね。そこで働きながら、歌の勉強としてボイストレーニングに通ったり、ライブをしたりしていました。大学を出てから10年間、東京に住んでいましたね。

イ: 誠さんはいかがでしたか?

JUJUMO: 私は、結局「就職」というものをしたことがないんですよ。大学時代は、友人のバンドマンに誘われてバーテンダーをしていました。そこは隠れ家的な良いバーで、芸能人も来るような場所でした。料理もすごく美味しくて、ちゃんとお酒も厳選されていましたね。そこで料理も覚えました。今、家でカレー屋さんをやっているんですが、そのカレーのレシピもそのバーで教えてもらったものなんです。

イ: レシピも!それは驚きですね。スリランカのレシピを、料理人の皆さんとアレンジしたものだとか。

JUJUMO: そうです。それをベースに、今は野菜だけで超えられるようなものを作っています。あと、高校の先輩が中退して音響屋さんを立ち上げたんですが、そのイベントとかがすごく楽しかったので、大学時代も音響屋さんでバイトをしていました。それも今も続けているんですよ。本当に「好きなことをやっているうちに拾い集めてきたもので今生きている」という感じです。

イ: まさに全部繋がっているんですね!お二人にとって、JUJUMOとしてのターニングポイントはありましたか?

JUJUMO: やはり沖縄に帰ってきた時が大きかったですが、個人的には、二人とも同時にアルバイト先がクローズした時が一番のターニングポイントだったと思います。

年末に東京で二人ともフリーの状態になって。それまではバイトしながら音楽をやっていたんですが、仕事がなくなった時に「なるべくバイトしない」という選択をしたんです。僕がエリナに「しなくていいよ」と言って、音楽の方にシフトしないと音楽で食べていけないわけだから、バイトじゃなくて音楽で稼げる方法を考えよう、と。

イ: なるほど、収入源を音楽に一本化するという覚悟を決めた時だったんですね。

JUJUMO: そうですね。僕はその頃、派遣の音響さんに登録して、都内のレストランウェディングなどの音響をやるようになりました。

今も沖縄でウェディングの音響をやっているので、一つのターニングポイントでしたね。

JUJUMOとして、音楽を「仕事」として稼いでいくという考え方も、そこがターニングポイントだったと思います。だいたい26〜27歳くらいの時でしたね。

イ: その時の心境はいかがでしたか?周りの反応なども気になります。

JUJUMO: 私は、やっぱり急に収入がなくなるのは怖かったですね。でも誠さんが「音楽でやっていくなら、もう仕事しない方がいい」と言ってくれたので、葛藤は常にありましたが、一つ一つやることのクオリティを上げて、お金をいただけるものを作っていくことを心がけました。

JUJUMO: 周りの反応としては、正直、ミュージシャン仲間はみんな同じような状況だったので、特に焦りはありませんでしたね(笑)。

ただ、エリナのお父さん、県庁の人だったんですが、フリーランスという概念が分からなくて「フリーター」だと思っていたので、最初は良く思われていない感じはありましたね。

離れていたので、詳しくは言いませんでしたけど。

夫婦であり、アーティストであることのバランス

イ: お二人はご夫婦で、しかも同じお仕事をされていますよね。ずっと一緒だと、仲良く過ごせるコツとかってあるんですか?

JUJUMO: いや、これはよく聞かれます(笑)。ずっと一緒なんでね。

お腹が空いた時とかは喧嘩になりますが、喧嘩というよりは小競り合いですね。特に音楽制作やデザインなど、何かを作る時に意見がぶつかることはあります。「俺はこう思うんだけど」と言っても「いや、もうちょっと違うんじゃない?」とか。

イ: 意見の衝突があった時、どうやって乗り越えるんですか?

JUJUMO: 基本は同じ「良くしていこう」という意見なので、言わないといけないことは言うんですが、最終的に技術的なことは僕が担当して、センスのところはエリナの方が良いことが多いので、結局エリナの言うことを渋々聞いて「ああ、こっちで良かったな」となることが多いですね(笑)。

イ:夫婦円満の秘訣は「旦那が折れること」かもしれませんね(笑)。そして役割分担もはっきりしているんですね。

JUJUMO: そうですね。僕は料理が好きなので、全部自分で料理を作りたいというのがあります。好きなものを作って、好きに食べたいので。なので、料理は僕が担当しています。エリナは子供たちに「ちゃんと緑入れて赤入れて黄色入れて」とか色々考えてしまったら料理を楽しめなくなったと言っていたので、「じゃあ自分やるよ」ってなりました。

沖縄での発見とインスピレーション

イ: 誠さんは、沖縄に来て一番びっくりしたことは何ですか?

JUJUMO: びっくりしたことはたくさんありますが、僕、5歳から10歳まで香港に住んでいたんですよ。香港と沖縄の緑の匂いや、市場の雰囲気がすごく似ているんですよね。香港もイギリス領だった頃は中国の文化とイギリス主義が混ざっていて混沌としていましたが、沖縄もアメリカと混ざって混沌としているところが似ているというか。なので、びっくりというよりは、しっくりくることの方がすごく多いんです。

イ: 馴染み深かったんですね。確かに沖縄はアジアとの繋がりも深いと聞きます。

JUJUMO: そうなんです。香港ではターバンを巻いたインドの人や、お金持ちそうな人がいる一方で、ビルの裏でホームレスが寝ていたりとか、生きたカエルが売られていたりとか、混沌とした光景が普通でした。そういう経験があったので、沖縄の異文化が混ざり合う感じも自然に受け入れられましたね。

ライブの喜びとCM・映像音楽の世界

イ: 今のお仕事で「ここがたまらなく面白い」と感じる瞬間や、やりがいがあれば教えていただけますか?

JUJUMO: やはりライブだったり、人と出会って聞いてもらって、同じ気持ちになれたり、音で声で心が通じる瞬間が一番嬉しいですね。私が歌っているし、私の言葉で作っているんですが、みんなの誰もが持っているような感情と共有できるのが喜びです。

JUJUMO: 僕も同じように人の前でやるのは楽しいですが、別の側面として、映画やテレビの音楽、CMなどをオーダーされて作る時があるんです。例えば「子供向けの」とか「大人っぽい雰囲気で」といったお題をもらって、自分が持っているかどうかも分からない素材を使って作っていくのは、すごく面白いですね。試行錯誤しながら、自分も色々な顔になれるという感覚です。

イ: エリナさんはCMで色々な声を担当されていますよね。

JUJUMO: そうなんです!「変な声」を出してみたり(笑)。「頑張らないの褒めにゃん」というCMでは「頑張るあなたに楽して欲しいのスーパーセール」みたいな声を出したり、徳里産業さんのCMとか、パンのCMでは家族で「ふわふわおさかなの香り」というセリフを言ったり、ふくちぐみのサウンドロゴなんかもやっています。短いCMでも、表情一つで雰囲気が変わるので、そこが面白いですね。

仕事の大変さと譲れない価値観

イ: このお仕事の大変さや難しさ、一番きつかったなというエピソードはありますか?

JUJUMO: 私は音響屋を高校生の頃からやっていますが、専門学校に行ったわけではなく、現場でやりながら覚えてきたんです。一度、沖縄に来て1、2年の時に、野外ライブで電圧が下がってデジタル機材が落ちてしまったことがあったんです。それで、少し電圧を上げて100Vから110Vくらいにセットしたんですが、昔のアナログアンプが飛んでしまったことがあって…。

最初は原因が分からなくて、最終的には僕の設定が原因だと分かったんですが、それを引き取って、お金を払って修理してもらったんです。大変でしたが、自分で責任を取るということを経験して、一つ「プロ」になれたと感じましたね。

イ: 責任の重さを感じた出来事だったんですね。では、普段お仕事をする中で「これだけは譲れない」という大切な価値観はありますか?

JUJUMO: 私は歌を歌っているので、「私であること」が一番大切だと思っています。嘘がないこと。それがちゃんと整っていることで、届けられるかなと。だから、普段から嘘をつかない、嫌なものはやらない、といった小さなことでも気をつけています。仕事というよりは「表現」という意味で。

JUJUMO: 家に置くもの一つも、自分たちが好きなものを置くようにしていますね。仕事でも、自分が納得できるもの、つまり自分の「マーク」がちゃんと入っていて、かつ相手の要望も満たしているものを作れるように、試行錯誤をたくさんしています。自分が崩れたら、ライブでもお客さんに伝わりますし。。

インスピレーションの源泉と今後の展望

イ: 素晴らしいですね。お二人がインスピレーションを受けているものや、影響を受けた本、映画、音楽などがあれば教えてください。

JUJUMO: 私はもう完全に自然とか、緑とか植物とか、海とかですね。そこから大体インスピレーションをいただいている感じです。

あとは、ちょっと変わった面白い本が好きで、内臓が意識を作っているとか、そういう体を整える系の本を色々勉強しています。

JUJUMO: 僕は特定のギターヒーローのような存在はいませんが、最初に聞いた音楽はビートルズでしたね。姉が友達からカセットテープを借りてきて、それをよく聞いていました。大学時代はヘビーなロックが好きで、ジャズサークルにも入ったり、友人がブラジル音楽を教えてくれたりして、少しずつ色々な音楽のエッセンスがたまって「おしゃれだな」と感じるようになりました。

イ: それでは最後に、今一番挑戦してみたいことや、今後達成したい大きな目標があれば教えてください!

JUJUMO: 僕の場合は、あまり自分からビジョンを組み立てていくタイプではないので、エリナから「こんな感じのやつ作ってみなよ」と言われると「ほう、じゃあやってみよっかな」となることが多いですね。CMなどお題をもらってそれをクリアしていくのは楽しいです。

ただ、僕たち二人でずっとやっているので、外からの視点でJUJUMOをプロデュースしていくべきだと感じています。作ることが本当に好きなので、作りっぱなしになってしまうこともあったりして。

JUJUMO: 私たちの目標としては、単純に「いい曲」を作りたいです。みんなが知ってくれる、残るような良い曲を作りたいですね。今年は特に曲のリリースを多くしていきたいと思っていて、制作して出す、制作して出す、というのを意識しています。去年はドイツやフランス、台湾に行きましたが、世界中に聞いてくれる人がいると思っているので、届けていきたいです。

イ: 誠さんにとって、料理と音楽って似ている感覚なんでしょうか?

JUJUMO: そうですね。とても一緒な感じがします。スパイス的にこういうの使おうかな、とか、音的にもこういう色の音があったらいいな、とか。絵は全然描けないんですけど、そういう感覚で捉えていますね。

JUJUMO: あとは、日々の喜びや、生活する上での「愛しさ」や「喜び」といったものを、自分たちがやっている喜びとして、人にもどんどん循環させていきたいです。それが本を書くことなのか、何なのかはまだ分からないんですけど。

イ: エッセイとか、絵本とか、お二人らしい形が生まれそうですね!

JUJUMO: やりたいですね!前に自分たちで絵本を作って、糸綴じまで自分たちでやったことがあるんです。すごく綺麗にできすぎて、手作り感がなさすぎて業者が作ったと言われたこともありました(笑)。CDとはまた違う、本と音楽が合わさったような「手に取る価値」のある形を、これからも探していきたいです。

——————————————————————————–

イ: 本日は本当にありがとうございました!最後に、JUJUMOさんの情報を見れる場所やイベント情報などがあれば教えてください!

JUJUMO: Instagramが一番良いですね!日々の生活の様子や、アヒルを飼っていたり(笑)、食べ物のことなど、すべてInstagramが一番情報が早いです。アヒルは卵を自給したくて飼い始めたんですが、可愛すぎて食べられなくなっちゃって…(笑)。

JUJUMO: ライブ情報としては、8月18日(月曜日)に那覇にある喫茶店でライブがあります。夏休み中なので、お子様連れでも大丈夫です。新曲「おとのむこう」もぜひチェックしてみてください。初期のアルバム「リンネ」はサブスクで聴けるようになっています。

イ: JUJUMOさん、今日は本当にありがとうございました!

JUJUMO: ありがとうございました!

——————————————————————————–

リスナーの皆さん、JUJUMOさんの音楽と活動、ぜひチェックしてみてくださいね!NPO法人Mirai Kanaiの提供でお送りいたしました。それではまた来週、この時間にお会いしましょう!

関連記事

TOP