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奇跡の連続の中で生きている 

船のエンジン音が響く。

ゆっくりと、本当にゆっくりと、船体が岸壁から離れていく。

私の手には色とりどりの紙テープ。

赤、青、黄色、ピンク――まるで虹のように、船と岸をつないでいる。

「また会おうね!」

「ありがとう!本当にありがとう!」

「気をつけて!」

声が重なり合う。

涙声も混じっている。

風が強くなって、テープが空に舞い上がる。

ピンと張った紙テープが、限界まで伸びて、そして――

プツン。

一本、また一本と切れていく。

切れたテープが、落ちていく様子を、私はただじっと見つめていた。

船は遠ざかる。人の顔はもう見えない。

でも不思議と、心の距離は変わらない気がした。

その瞬間、潮風に髪をなびかせながら、

私は突然気づいた。

今、ここに立っていること。

誰かと別れを惜しめること。

また会える約束ができること。

当たり前だと思っていた日々の一つひとつが、実は奇跡の連続なんだと。

当たり前の中にある”奇跡”

考えてみれば、私たちは毎日を「普通」に生きている。

目覚まし時計が鳴って、顔を洗って、朝ごはんを食べる。

誰かと他愛ない話をして、時には笑い合って、夜になれば布団に入る。

でも、本当にそれは「普通」なのだろうか?

「今朝も目が覚めた」

「大切な人の声が聞けた」

「温かいご飯が食べられた」

「新しいことに挑戦する場所がある」

ひとつひとつを丁寧に見つめ直すと、

それは奇跡でしかない。

NPO法人Mirai Kanaiでは、そんな”当たり前の中にある奇跡”を、大切にする活動をしています。

子どもたちが無邪気に笑える環境があること。

困った時に手を差し伸べてくれる地域の人がいること。

美しい海が、今日もそこにあること。

それらはすべて、偶然ではありません。

誰かの想いと行動が重なり合って生まれる「つながりの中の奇跡」なのです。

小さな旅の中で見つけたこと

伊平屋ムーンライトマラソン。

月明かりの下を走るこの大会に向かう旅の中で、私はたくさんの奇跡に出会いました。

一緒に走る仲間の存在。

「がんばれ!」と声をかけ合える関係。

足が痛くなった時、黙って肩を貸してくれた友人。

24キロ。

完走できた人も、途中でリタイアした人も、みんなそれぞれの物語を抱えて走っていました。

でも、一番心に残っているのは、出発の港での光景です。

小さな子どもたちが、見送りに来てくれていました。

小さな手を精一杯振りながら、

キラキラした目で私たちを見つめていた。

その瞬間、胸の奥が熱くなりました。

生きていること。

誰かと出会えること。

心を通わせられること。

挑戦する勇気をもらえること。

そのすべてが、かけがえのない奇跡なんだと、改めて感じたのです。

今日も奇跡を感じながら生きる

Mirai Kanaiの活動理念は、

「幸せが循環する社会を創る」こと。

でも、その幸せは、

決して遠い場所にあるわけではありません。

高い山の頂上でも、海の向こうでもない。

今、この瞬間、あなたの目の前に、

手の届く場所にあるのです。

今日という日が来たこと。

窓から差し込む朝日を感じられること。

誰かの「おはよう」が聞けること。

新しい一歩を踏み出せること。

小さく見えるかもしれない。

でも、それはすべて、生きている証であり、奇跡なのです。

ありがとう、そして、これからも。

ありがとう。

心の底から、

本当にありがとう。

伊平屋での出会い。

一緒に走ってくれた仲間。

応援してくれた地域の方々。

そして、

今この文章を読んでくれているあなた。

みんなとの出会いが、

私に大切なことを教えてくれました。

私たちは奇跡の連続の中で生きている。

一人じゃない。

みんなでつながっている。

だからこそ

「今日も精一杯、楽しく生きよう」

港で切れた紙テープのように、物理的な距離は離れても、心はずっとつながっている。

そう信じて、今日もまた新しい一日を始める

📍NPO法人Mirai Kanai

未来をつくるのは、今ここにいる私たち。

子どもたち、地域、自然、

そして大人たちが

“つながり”の中で笑い合える社会を。

小さな奇跡を、みんなで大切にしていきたい。

そんな想いで、今日も活動を続けています。

いつもありがとう

ズケヤマセイラ

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