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映画『宝島』を観て感じたこと 〜記憶と歴史のあいだで揺れるもの〜

理事長のズケヤマです。

映画『宝島』を観てきました。


観終わったあと、胸の奥がしばらくざわざわと落ち着かない、そんな感覚が残りました。「沖縄」という場所が背負ってきた歴史や、そこに生きる人々の思いを、強烈に突きつけられるような作品だったからです。

沖縄を舞台にした“記憶の映画”

『宝島』は、米軍統治下の沖縄を背景に描かれています。
まだ「日本」でありながら「日本ではない」時代。そこで暮らす人々は、自由を奪われ、選べない現実に押しつぶされながらも、必死に生き抜こうとします。

画面に映し出される沖縄の風景は、美しい海や緑に囲まれていながら、どこか切なく、痛々しく感じられました。観客として「観光の沖縄」しか知らなかった自分にとっては、この“もうひとつの沖縄”に直面することが、とても大きな気づきになりました。

登場人物たちが抱える葛藤

特に心に残ったのは、主人公たちが背負う「葛藤」です。
愛する人を守りたい気持ちと、自分の生き方を貫きたい気持ち。
個人の幸せを選ぶのか、それとも沖縄の未来のために身を投じるのか。

その選択は決して単純ではなく、どちらを選んでも痛みを伴う。
だからこそ、スクリーンの中の登場人物たちの苦悩は、時代を超えて今を生きる私たちにも問いかけてくるものがありました。

「宝島」というタイトルに込められた皮肉

タイトルの「宝島」。
本来なら夢や希望を感じさせる言葉ですが、映画の中でその言葉が持つ意味は決して一面的ではありません。
誰かにとっては“軍事拠点としての宝”。
誰かにとっては“奪われた故郷”。
そして、子どもたちにとっては“本当の宝”であるはずの未来。

映画を観終わったあと、この言葉の重さをじわじわと噛みしめました。

今の私たちへの問いかけ

『宝島』は過去を描く作品ですが、同時に「今の私たちはどう生きるのか?」を問うているように感じました。
戦後から何十年経った今も、沖縄は基地問題をはじめ、さまざまな矛盾や痛みを抱えています。
私自身、この映画をきっかけに「沖縄の歴史をもっと知らなければ」と強く思いました。

まとめ

『宝島』は、観る人にとって決して軽い映画ではありません。
けれど、その重みを受け止めることこそが、この作品に触れた意味なのだと思います。

涙や怒り、無力感、そして未来への希望。
観終わったあとに湧き上がるいくつもの感情を抱えながら、「自分にできることは何だろう」と考えさせられる一作でした。

👉 もしあなたが「沖縄の歴史」をもっと知りたいと思っているなら、ぜひ一度観てほしい映画です。

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