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【インタビュー】捨てられる着物に新たな命を。異色のキャリアから生まれた「循環」と「問題解決」のカタチ

ミラクルモンスター

NPO法人Mirai Kanai がお届けする「ミラクルモンスター(通称:ミラモン)」。 この番組は、ユニークな経歴や珍しいお仕事をしている方をゲストにお招きし、その道のりや考え方、夢中になっていることをとことん伺って、リスナーの皆さんと一緒に勝手に応援していく番組です。日常に新しい発見やワクワクをお届けします!

本日のゲスト紹介

今回のミラクルモンスターは、着物リメイクフォトグラファーであり、グラフィックデザイナーとしても活躍されている奥村ノブ子さんです。 ウェイトレスや旅行会社の添添員など多彩なキャリアを経て、現在は写真やデザインの仕事に加え、廃棄される着物に新たな命を吹き込むリメイク事業「Rencul(リエンカル)」を展開されています。奥村さんの波乱万丈なキャリアと、そこから生まれた「仕事=誰かの問題解決」という熱い想いに迫ります!

ゲストプロフィール

奥村 ノブ子(おくむら のぶこ) 着物リメイクフォトグラファー / グラフィックデザイナー

大阪府出身。ロケーション専門のフォトグラファー、グラフィックデザイナーとして活動する傍ら、着物リメイク事業「Rencul」を設立。「再生(Re)」「出会い(Encounter)」「文化(Culture)」を組み合わせたこの事業では、年間約100万枚とも言われる廃棄着物を活用し、循環型社会を目指している。 解き作業をデイサービスへ、アイロンがけを在宅ワークへ依頼するなど、多様な雇用の創出にも貢献。2026年3月5日より、展示や保管のための事務所設立を目指しクラウドファンディングに挑戦中。

HP
https://rencul.com

インスタ
https://www.instagram.com/rencul_kimono.remake?igsh=a2Vscmc4YWR1NG91&utm_source=qr


落書きだらけの幼少期と、芸大で学んだ「芸術」と「デザイン」の違い

インタビュアー(以下、イ): 本日のゲストは奥村ノブ子さんです。よろしくお願いします!早速ですが、子供の頃はどんなことに興味を持っていましたか?

奥村: 常に絵を描いていました。教科書も机も落書きだらけ(笑)。数年前に芸術大学の通信制に入学した際、久しぶりにデッサンをやって「楽しいな」とオタクのように黙々と描いていました。

イ: 芸大ではどのような気づきがありましたか?

奥村: グラフィックデザイン専攻で学んだ「芸術」と「デザイン」の違いは大きかったですね。芸術は「自分の思いを表現するもの」、デザインは「クライアントの思いを引き出して形に落とし込んでいくもの」。これは写真の世界でも同じで、相手が何を表現したいのかを汲み取ることを大切にしています。

フレンチレストランから沖縄移住。ご縁で繋がる波乱万丈なキャリア

イ: 最初の社会人経験は今の仕事とは全く違うとか?

奥村: はい、フレンチレストランのウェイトレスでした。実は芸大への推薦が決まっていたのですが、家庭の事情で行けなくなってしまい、やけくそで選んだ道でした。でも、百貨店の外商さんが大切なお客様を連れてくるような場所だったので、サービス業の「いろは」を徹底的に叩き込まれました。そこから添乗員になり、趣味のダイビングが高じて沖縄営業所の立ち上げに手を挙げ、移住してきました。すべては「ご縁とタイミング」ですね。

「美味しそうじゃない」の一言から始まったカメラと、雑誌編集部での日々

イ: 写真とデザインを仕事にされたきっかけは何だったんですか?

奥村: 16年ほど前に沖縄で飲食店を経営していた時、SNSのパスタ写真を見た主人に「全然美味しそうじゃない」と言われて火がついたんです(笑)。そこから一眼レフを買い、講座に通ってのめり込みました。 その後、飲食店を閉めたタイミングでデザインスクールへ。その先生が雑誌のデザイナーさんで、卒業後にそのまま編集部に入ることになりました。そこで編集長から「写真やってるなら撮ってきて」と放り出されたのが(笑)、写真も仕事になった始まりです。

クリエイターとしての喜びと、プロの矜持

イ: お仕事のやりがいはどんな時に感じますか?

奥村: フォトグラファーとしては、お客様から「私ってこんなに素敵やったんや」と言っていただけること。先日も、当日人見知りしてしまったお子さんの「一瞬の笑顔」を切り取ることができ、後日「スマホの待ち受けにしました」と報告をいただいた時は本当に嬉しかったです。

イ: プロとして、大切にされている姿勢はありますか?

奥村: 今はスマホや無料ツールで誰でも制作ができる時代です。だからこそ、「たった1時間なんだから安くていいでしょ」とお金だけの話をされる場合は、無理にご依頼いただかなくて大丈夫です、とお伝えしています。裏側での選別やレタッチ、フォントや色の微調整など、プロとしての「思考」に価値を感じてくださる方を大切にしたいからです。

年間100万枚の廃棄着物を救う。「Rencul」の挑戦の裏側

イ: 着物リメイク事業「Rencul(リエンカル)」を始められたきっかけは?

奥村: 母の着物を友人が「パンツにしたら可愛い!」と言ってくれたのが始まりです。調べてみると、日本では年間約100万枚もの着物が捨てられている。これを事業化しようと思いました。 実は私、裁縫は苦手なんです(笑)。だからこそ、解き作業はデイサービスのお年寄りに、アイロンがけは子育て中のママさんに、仕立ては作家さんにと繋いでいます。おばあちゃんたちが「次の着物早く持ってきなさい!」と喜んでくれる姿を見ると、循環の力を感じます。

イ: 素材の判別なども大変そうですね。

奥村: 洗濯タグがないので、端切れを庭で燃やしてみたり、水の弾き方を見たりして素材を判断することもあります。アパレルの専門家の助けを借りながら、一点一点向き合っています。

迷った時の相談相手と、影響を受けた映画・人物

イ: 迷った時の指針はありますか?

奥村: 信頼できる人に相談します。大人になると叱ってくれる人は少なくなりますが、真剣に気づきを伝えてくれる人は本当にありがたい存在です。 影響を受けたのは、20代の頃に見た映画『グラン・ブルー』。そして、人間関係の伝え方を教えてくださった、今は亡きセミナーの先生。その教えが今のコミュニケーションの土台になっています。

事務所設立へのクラウドファンディングと、循環する社会へ

イ: 今後の目標を教えてください。

奥村: 現在、商品の展示や着物の保管ができる事務所を構えるために、クラウドファンディングに挑戦しています(2026年3月5日〜4月末公開)。思い出の着物を、日常使いできる世界に一点だけのものにリメイクし、循環できる社会を作っていきたい。お預かりした着物をリメイクしてお返しすることも、大切に続けていきたいです。

リスナーへのメッセージ「お仕事とは、誰かの問題解決をすること」

イ: 最後に、悩んでいる方へメッセージをお願いします。

奥村: 悩んでいるのは「前に進みたい」気持ちがある証拠。まずは一歩踏み出し、色んな人に話してみてください。 そして、昔聞いた言葉ですが、「お仕事とは、誰かの問題解決をすること」。ひとりよがりではなく、必要としてくれる人がいるから仕事になります。自分にしかできないこと、あるいは誰かと一緒ならできることを見つけてほしいなと思います。

イ: 奥村さん、今日は素晴らしいお話をありがとうございました!

奥村: ありがとうございました!


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