『トイ・ストーリー5』を観て感じたこと

『トイ・ストーリー5』を観ました。
最初は「懐かしいな」「子どもと楽しめる映画かな」という気持ちで観始めたのですが、終わる頃には、胸の奥に重たいものが残っていました。
今回のテーマは、おもちゃ同士の冒険ではありません。
「デジタル」と「遊び」の物語。
そして、それは今の子どもたちが生きる現実そのものでした。
映画の中では、子どもたちはみんなデバイスに夢中。
おもちゃで遊ぶ子はほとんどいません。
「俺たちがいない間に、全部変わった。」
そんなセリフがありました。
その一言に、思わず現代社会が重なりました。
印象的だったのは、ボニーの姿です。
チャットで友達から、
「まだおもちゃで遊んでるの?赤ちゃんみたい。」
と言われたことで、大切にしていたおもちゃを手放してしまいます。
本当は好きだった。
本当は遊びたかった。
でも、「みんな」に合わせるために捨てる。
これって、おもちゃの話でしょうか。
今の子どもたちも、
「ゲームやってないの?」
「そのアプリ入れてないの?」
「タブレット持ってないの?」
そんな空気の中で生きています。
ゲームをしないと話題についていけない。
タブレットを持っていないと仲間外れになる。
便利なはずのデジタルが、いつの間にか「つながるために必要なもの」ではなく、「持っていないと孤立するもの」になっている。
そんな現実が、この映画には描かれていました。
そして、もう一つ心に残った場面があります。
おもちゃたちが、子どもに遊んでもらって心から喜ぶ姿です。
誰かに必要とされる喜び。
一緒に笑う喜び。
想像しながら遊ぶ時間。
それがおもちゃたちの幸せでした。
でも、その時間が少しずつ失われていく。
見ていて、とても切なくなりました。
映画の中でジェシーは、
「デバイスのせいで、子どもが子どもらしさを失ってしまった。」
そんな想いを抱えています。
もちろん、私はデジタルを否定したいわけではありません。
AIも、スマートフォンも、タブレットも、私たちの生活を豊かにしてくれる素晴らしい道具です。
私自身も毎日のようにAIを活用しています。
だから問題は、「デジタルか、おもちゃか」ではありません。
どちらかを選ぶことではなく、どう共存するか。
そこが大切なのだと思います。
NPO法人Mirai Kanaiでは、
「遊ぶ・学ぶ・つながる」
を大切にしています。
遊びは、暇つぶしではありません。
遊びの中で子どもは考えます。
失敗します。
工夫します。
友達とぶつかります。
仲直りします。
想像します。
創造します。
この積み重ねが、生きる力になります。
デジタルでは得られるものもあります。
でも、おもちゃだからこそ育つ力もあります。
外遊びだからこそ育つ力もあります。
人と人が向き合うからこそ育つ力もあります。
映画の中で少し年老いたウッディの姿も印象的でした。
時代は変わる。
遊びも変わる。
子どもたちを取り巻く環境も変わる。
でも、変わらないものがあります。
それは、
「子どもは、誰かと心を通わせながら遊ぶことで育つ」ということ。
私は、この映画は単なるアニメではなく、
現代社会へのメッセージだと感じました。
だからこそ、大人である私たちは問い続けたい。
子どもたちに最新のデバイスを与えることよりも、
子どもらしく夢中になって遊べる時間を、ちゃんと残せているだろうか。
未来をつくるのはAIでもスマホでもありません。
最後に未来をつくるのは、
笑って遊び、失敗して学び、人とつながった子どもたちです。
だから私たちは、これからも子どもたちの「遊ぶ権利」を守り続けたいと思います。
