番組概要
NPO法人Mirai Kanaiがお届けするラジオ番組「ミラクルモンスター(通称:ミラモン)」。 ユニークな経歴や珍しいお仕事をしている方をゲストにお招きし、その道のりや考え方、夢中になっていることをとことん深掘りして、リスナーの皆さんと一緒に勝手に応援していく番組です。
本日のゲスト紹介


和宇慶 忠勝(わうけ ただかつ)さん
美咲特別支援学校 教員 / うるま相撲道場 指導者 学校の教員として働きながら、週に2回「うるま相撲道場」で子どもたちに相撲を指導。相撲を通じた人間形成と、地元うるま市からの人材育成に情熱を注いでいます。
幼少期、国体監督を務めていた父の影響で相撲を始める。日本大学で相撲を経験したのち、指導者を目指して教員の道へ。母校である中部農林高校で7年間相撲指導を行った後、特別支援学校への転勤を機に地域での指導を決意し「うるま相撲道場」を立ち上げる。現在も具志川ドームを拠点に、日々子どもたちと稽古に励んでいる。
Instagram:うるま相撲道場で検索
https://www.instagram.com/uruma_sumo_dojo/
インタビュー
■ 気づけば土俵の上に。相撲漬けの幼少期と兄弟
イ(パーソナリティ:ズケヤマセイラ): 本日のミラクルモンスターは、うるま相撲道場の和宇慶忠勝さんです。まずは現在の活動について教えていただけますか?
和宇慶: 現在は美咲特別支援学校に勤務しており、高校2年生の担任をしています。その仕事とは別に、週に2回、具志川ドームで「うるま相撲道場」というちびっ子たちの相撲指導をしています。
イ: 子どもの頃はどんなことに興味を持っていたんですか?
和宇慶: 気づいた頃にはまわしを巻いていましたね(笑)。父が国体の相撲監督をしていた影響で、競技を選ぶ選択肢がなかったんです。小学校2年生の頃から中部農林高校に通って、高校生と一緒に稽古をするのが日課でした。
イ: 小学生で高校生と稽古!ご兄弟も相撲をやられていたんですか?
和宇慶: 4人兄弟で、妹は陸上ですが弟2人も相撲です。ただ、僕は昔から一番太れなくて。学生時代は1日に7〜8食食べて、夜中にアラームをかけてまた食べるような生活でした。今振り返ると、センスはなかったなと思いますね。
■ 指導者の道へ。そしてターニングポイント
イ: 社会に出て最初に選んだ仕事は何だったんですか?
和宇慶: 小さい頃から「指導者になりたい」「相撲を教えたい」という夢があったので、一番近い仕事は学校の先生だろうと考えました。最初は臨時で高校に入ったのが始まりです。
イ: キャリアの決定的なターニングポイントとなった出来事は何ですか?
和宇慶: 特別支援学校への転勤ですね。それまで母校の普通高校で7年間相撲を教えていたんですが、転勤先には自分の部活動がありませんでした。だったら「地域で道場を作って教えよう」と。そこで育てた子どもたちが高校で相撲を続けたり、プロの世界に行ってくれたりしたらいいなと思い、仲間たちと「うるま相撲道場」を立ち上げました。
■ 意外と知らない?プロ(大相撲)の世界のリアル
イ: プロの世界ってどうやって入るんですか?スカウトとかですか?
和宇慶: 大相撲は、入り口のハードルはとっても低いんです。「プロに行きたいです」と手を挙げれば誰でも入れます。親方のスカウトもありますが、自分で部屋の門を叩く子もいます。
イ: え!明日からプロになります、でもいけるんですか?
和宇慶: はい。ただ、入ってからが超厳しい世界です。大相撲では十両以上の「関取」にならないと給料がもらえません。序ノ口から幕下までは部屋で生活はできても、お給料はないんです。年6回の場所で7番相撲を取り、4番勝てば勝ち越しで番付が上がっていく。その繰り返しで出世していくしかありません。
イ: ご自身はプロは考えなかったんですか?同級生で有名な方とかいらっしゃいますか?
和宇慶: 大学4年の時に少し考えましたが、自分より強い同級生や先輩が行く厳しい世界だと思っていましたし、指導者になりたいという夢がありました。一つ上の先輩では「天鎧(てんがい※収録時:天王)」という小結までいった方もいますし、同級生にも関取になって今親方をしている人が何人もいます。
■ 「うるま相撲道場」の立ち上げと、具志川ドームの秘密
イ: 道場を作った時、生徒はどうやって集めたんですか?
和宇慶: いきなり歩いている人に声をかけるわけにもいかないので、まずは自分と弟の娘たちにまわしを巻かせて四股を踏ませました(笑)。それをSNSに載せたり、いろんな競技の子たちを集めて相撲大会を開催したりして、少しずつ人数が増えました。今では30人近くの弟子たちが楽しく頑張っています。
イ: 具志川ドームで稽古されているとのことですが、あそこに土俵があるなんて知らなかったです!
和宇慶: 2000年の「美ら島総体」のタイミングで作られた立派な土俵があるんです。実は、普段は人工芝の下に土俵が隠れていて、格納庫のボタンを押すとウィーンと土俵が出てくるんですよ!
■ 楽しい稽古か、勝つ稽古か。指導者としての葛藤
イ: 指導をしていて、たまらなく面白いと感じる瞬間を教えてください。
和宇慶: 子どもたちが普段厳しい稽古を頑張って大会に出場し、そこで勝って喜んだり、負けて悔し涙を流したりする瞬間を一緒に共有できることが、もうたまらなく楽しいですね。才能よりも努力が勝るんだということを教えたいです。
イ: 逆に、難しさを感じるのはどんな時ですか?
和宇慶: 毎回「今日の稽古は納得いった」と思えることはほとんどなくて「あの時こういう声かけをすればよかった」と悩むことばかりです。特に、「相撲を好きになってもらうための楽しい稽古」と「試合で勝たせるための厳しい稽古」のバランスが本当に難しくて。これは指導者として一生悩んでいくんだろうなと感じています。
■ モットーは「強さよりも、一人の人間としての成長」
イ: お仕事をしていく上で、大事にしているモットーはありますか?
和宇慶: 「相撲が強くなることよりも、まずは一人の人間として成長すること」です。そのために、礼儀や感謝の心、周りへの思いやりを大事にしなさいと口うるさく教えています。相撲は「礼に始まり礼に終わる」武道なので、そういう部分を教えられるのが相撲のいいところですね。
■ 相撲の基本「四股」に隠された効果
イ: 相撲といえば「四股」ですが、あれはどんな意味があるんですか?
和宇慶: 四股には、ウォーミングアップ、足腰の強化、柔軟性、そしてバランスを取るための体幹など、様々な要素が集約されています。何百年も昔から継承されているものなので、やっぱり理にかなっているんでしょうね。道場では小学生の集中力も考慮して、回数よりも質にこだわって80〜100回ほど踏ませています。
■ 地元・うるま市出身「美ノ海関」の活躍と「美ノ海杯」
イ: 注目しているおすすめの力士はいらっしゃいますか?
和宇慶: うるま市出身の「美ノ海(ちゅらのうみ)」関です。小学校、中学校までうるま市で育ち、僕らも一緒に稽古をして胸を出した子で、今大相撲の幕内で活躍しています。
イ: 地元からの活躍、すごいですね!
和宇慶: はい。以前彼と「地元のために何かできないか」と話し、6月23日の慰霊の日に具志川ドームで「美ノ海杯」という相撲大会を開催することになりました!幼稚園の年長さんから中学生まで8つのカテゴリーで行うんですが、なんとうるま市内だけで160名もの申し込みがありました。バスケや空手、ラグビーなど色々な競技の子たちが出場してくれます。


■ 未来の展望:相撲のオリンピック化と女子選手の育成
イ: 今後達成したい大きな目標や夢を教えてください。
和宇慶: まずは、この道場を末永く継続して、忍耐力を持った人材を育成すること。うるま市を背負って立つようなリーダーを育てたいです。もう一つ壮大な夢は、アマチュア相撲をオリンピック種目にすることです。そのためには男子と同じように「女子選手の育成・普及」が必須課題です。うちの道場は女子も大歓迎ですので、力を入れていきたいですね。
■ 若い世代へ:まずは「一歩」踏み出してみよう!
イ: 自分の進む道に悩んでいる若い世代に向けて、メッセージをお願いします!
和宇慶: 何かに挑戦する時は「一歩踏み出すこと」「行動してみること」が一番大事だと思います。相撲も「まわしを巻く」というハードルが高くて怖いかもしれませんが、勇気を出して一歩踏み出して道場に来てくれた子たちは、相撲にドハマりして頑張ってくれています。だから皆さんも、まずは恐れずに一歩踏みしてみてください!
イ: 最後に、告知などがあればお願いします。
和宇慶: 大きく2つあります。まずは6月23日の「美ノ海杯」。申し込みは締め切りましたが、当日は美ノ海関も来て、ちょんまげをつけた本物の力士を目の前で見ることができます。朝9時半から具志川ドームで開会式ですので、ぜひ相撲の魅力に触れに来てください。もう一つは、うるま相撲道場での相撲生大募集です。Instagramで「うるま相撲道場」と検索して、ぜひチェックしてみてください!
イ: 本日は素晴らしいお話をありがとうございました!
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