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世界を呪う前に、自分の目(角膜)を信じろ。魂を導く言葉の求道者、カクマクシャカ

NPO法人Mirai Kanaiがお届けするラジオ番組「ミラクルモンスター(通称:ミラモン)」。この番組は、単なるトーク番組ではありません。既存のレールに囚われず、自分だけの情熱を武器に「生きる道」を切り拓いた大人たち——私たちは敬意を込めて彼らを「ミラクルモンスター」と呼びます。彼らの泥臭い葛藤や、胸の奥に秘めた哲学を深掘りすることで、未来を担う若者たちに「こんな生き方があってもいいんだ」という夢のヒントと選択肢を提示する「心のキャリア教育」の場です。

さあ、今日はあなたの価値観がひっくり返るような、強烈な言葉の魔法を浴びる準備はできていますか?

2. 本日のゲスト紹介

カクマクシャカ 氏

  • 肩書き: ラッパー
  • 活動紹介: 沖縄の地を拠点に、鋭利な洞察力と深い慈愛を併せ持つ言葉を紡ぎ続ける表現者。音楽のみならず、DJやトラック制作、社会活動への参画など、その活動は「言葉の可能性」を拡張し続けています。
  • 重要リンク:
    1. アルバム『LOTUS』 (Bandcamp)
    2. 公式プロフィール

彼の物語に触れるとき、あなたは「自分自身を見つめる目」の真実を知ることになるでしょう。

3. ゲストプロフィール

沖縄県うるま市出身。中学時代のバンド結成以来、常に表現の最前線に立ち続ける。決定的な転機は2004年、沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事故。この不条理な現実に直面し、DUTY FREE SHOPの橘氏からの「安室(本名)も歌ってみれば?」という呼びかけに応えて書いた『民のドミノ』で、自身の内に眠る「本当の感情」に目覚める。

看板屋でのクリエイティブワークや、コールセンターでの過酷なクレーム対応といった多様な社会経験を糧に、言葉の深度を深めてきた。かつては社会への「鋭いトゲ」として知られたが、数々の葛藤と暗黒期を経て、現在はサミュエル・スマイルズの『自助論』に基づく「角膜(自分の目)で自分を律する」哲学を確立。最新アルバム『LOTUS』を通じ、数字や評価に支配されない、誠実な生の表現を届け続けている。

4. インタビュー本編

言葉の産声——米軍ヘリ墜落の爆音と「安室」が「カクマク」になった日

イ(インタビュアー):カクマクさん、本日はお会いできて光栄です。あなたのキャリアを語る上で、2004年の沖縄国際大学での米軍ヘリ墜落事故は避けて通れないエピソードですよね。当時はどのような状況だったのでしょうか?

カクマクシャカ:よろしくお願いします。そうですね、当時はバンド活動が立ち行かなくなって、一人でPCに向かって悶々とトラックを作っていた時期でした。いわば孤独な模索期間。そんな時に、あの事故が起きたんです。

イ:そこからどうやって、ラッパーとしての第一歩を踏み出したのですか?

カクマクシャカ:実は自発的じゃなかったんですよ。当時お世話になっていたDUTY FREE SHOPの橘さんから、「この事件をテーマに曲を作れ」と言われて。「安室(本名)も歌ってみれば?」と。それまで僕は「ジャンプがかっこいいバンドマン」として認識されていたんですが、その一言がすべての始まりでした。

イ:橘さんのその一言がなければ、今のカクマクさんは存在しなかったかもしれない。

カクマクシャカ:間違いないですね。初めて日本語で歌詞を書いた『民のドミノ』の制作過程は、自分でも驚くような体験でした。書くことで、自分の中にあった「本当の怒り」や「悲しみ」を初めて客観視できたんです。誰かに言わされた言葉じゃない、自分の心に気づかされる感覚。それがラップにのめり込む原動力になりました。

イ:情熱的なメンターとして言わせてください。偶然の提案を「必然の運命」に変えたのは、あなたの誠実さです。

偶然の出会いが必然の表現へと繋がっていく様子を、僕たちは今、彼の音楽の深みの中に見ることができます。

感性の土壌——マリオペイントからクレーム対応まで、全てが「音」になる

イ:音楽的なルーツも非常に多岐にわたると伺っています。中学時代から、かなりマニアックな音楽も吸収されていたとか。

カクマクシャカ:父親がCDを持っていた影響が大きいですね。ジャンルなんて関係なく、とにかく「カッコいい」と思ったものを片っ端から。

カテゴリー 影響を受けたアーティスト・体験
初期衝動 ベンチャーズ、B’z(松本孝弘氏のギター)
哲学・深淵 筋肉少女帯、BUCK-TICK、星新一(読書)
リズム・肉体性 レッチリ、リンプ・ビズキット
デジタル原体験 スーパーファミコンの『マリオペイント』、『スタジオP』

イ:マリオペイント!ゲームが作曲の原体験だったというのは、今の若者にとっても親近感が湧くエピソードですね。

カクマクシャカ:そうですね。コンピュータで音を作る楽しさはそこで知りました。あと、社会人としての経験もすべて繋がっています。看板屋でデザインを学んだり、コールセンターで働いたり。

イ:コールセンターでの経験が、言葉の紡ぎ方に影響しているというのは意外です。

カクマクシャカ:クレーム対応の現場って、徹底的に「人の話を聞く」しかないんですよ。相手が何を求めているのか、その背後にある感情は何か。それを突き詰め続けたことが、今の「相手の心に寄り添う言葉」の土台になっています。どんな仕事も、無駄なことなんて一つもないんです。

イ:素晴らしい!「聞く力」が「届ける力」に変わる。まさにキャリアの錬金術ですね。

多様な経験が彼の独特な語り口を形成し、誰にも真似できない深みのあるリリックを生み出しました。

一瞬の共鳴——『LOTUS』が提示する「不便で贅沢な」音楽体験

イ:最新アルバム『LOTUS』、そして現在のライブ活動への熱量がすごいですね。今、カクマクさんがステージ上で感じている「やりがい」について教えてください。

カクマクシャカ:昔は曲作りそのものが目的でしたが、今は「ライブ」が最高に面白い。何度も歌い込むことで言葉が自分の血肉になり、表現の再現性が高まってきたんです。その先にある「一瞬の一体感」……ステージとフロアの境界線が消えるあの瞬間が、僕にとっての報酬です。

イ:その「一体感」へのこだわりは、リリースの形態にも表れていますね。あえてBandcamp限定という。

カクマクシャカ:ええ。サブスクで垂れ流される時代だからこそ、あえてURLを叩き、一回一回の試聴にハードルを設けた。不便かもしれないけれど、その「壁」を超えて聴きに来てくれた人とだけ共有できる贅沢な体験を大切にしたいんです。

イ:効率化の時代に、あえて「手間」を愛する。その姿勢こそが、表現の価値を高めるのですね。

現場での生きた体験を何よりも尊ぶ彼の価値観は、利便性を超えた「本物の感動」を私たちに教えてくれます。

視座の変容——怒りの果てに辿り着いた「構造」という名の光

イ:活動を続ける中では、苦悩も多かったはずです。特にレコーディングへの苦手意識があると伺いましたが?

カクマクシャカ:レコーディングは今でも大変です。ライブと違って「正解」がない。やればやるほど理想とのギャップに苦しむ、正体のない迷宮に潜り込むような感覚です。

イ:その精神的な葛藤を、社会的な活動が救ってくれた面もあるのでしょうか。

カクマクシャカ:大きかったですね。坂本龍一さんやShing02さんと関わった「六ヶ所村プロジェクト」や、県民大会での経験です。以前はただ「被害者としての沖縄」という視点だけで、内側から燃えるような怒りを叫んでいた。

イ:そこからどのように視座が変わったのですか?

カクマクシャカ:辺野古の問題や県民投票など、不条理を目の当たりにする中で、「これは沖縄だけの問題ではない。構造的な問題なんだ」と客観視できるようになった。加藤登紀子さんとフジロックのステージに立った時もそうでしたが、広い視野で世界を俯瞰することで、怒りを「表現」へと昇華させることができたんです。

イ:個人的な「怒り」を、社会への「視座」へと変換した。これは若者にとっても、感情を力に変える大きなヒントになります。

葛藤を乗り越え、より深い視座を手に入れたことで、彼の言葉はより普遍的な響きを持つようになりました。

名前の聖域——「自分の目が見ている」という自助論の覚悟

イ:そして、やはり聞かずにはいられないのが「角膜釈迦」という名前の由来です。ここにはあなたの人生哲学が凝縮されていますよね。

カクマクシャカ:サミュエル・スマイルズの『自助論』に、ある少年の話が出てくるんです。誰も見ていない場所で、なぜパン(お菓子)を盗まなかったのかと問われた少年が、「いいえ、僕の目が見ていました」と答える。

イ:自分自身が、自分にとって最大の目撃者であると。

カクマクシャカ:そうです。「角膜(自分の目)」が自分を見ている。そして、自分を正しい道へ導く「ブッダ(釈迦)」も自分の中にいる。他人の評価やSNSの再生数、お金といった数字に囚われると、精神は必ず不健全になります。でも、「自分の目は、今の自分をどう見ているか?」という問いに立ち返れば、道は自ずと決まるんです。

イ:SNS社会に生きる今の若者にとって、これほど強力な警告と救いの言葉はありません。

彼がなぜこれほどまでに自分自身に誠実であろうとするのか。それは、自分という「聖域」を守り抜くための覚悟があるからに他なりません。

共振する未来——隣に寄り添い、背中をそっと押すための調べ

イ:これからの展望についてはいかがでしょうか。次に目指す高い壁はありますか?

カクマクシャカ:実は、大きな野望ってあんまりないんです(笑)。ただ、シンプルに「多くの人と音楽を楽しみたい」。かつては自分の好きなことを一方的に叫ぶだけでしたが、今は聴いてくれる人の隣にそっと寄り添いたい。

イ:その「共鳴」こそが、今のカクマクさんの音楽の核なのですね。

カクマクシャカ:11月からは再びライブをガンガンやっていきます。SNSは流れていってしまうので、確かな情報はホームページ「カクマクドットコム」をチェックしてほしい。そこで繋がった人と、一瞬でも深い共鳴を味わいたいんです。

イ:あなたの音楽が、これからも迷える多くの人の灯火になることを、僕は確信しています。

彼の音楽は、これからも多くの人の心に寄り添い、暗闇を照らす確かな「共鳴」となって響き続けるでしょう。

自分を愛する勇気——「お金にならない価値」を信じる君たちへ

イ:最後に、将来に不安を抱える若い世代へ、メンターとして、そして一人の人間としてメッセージをお願いします。

カクマクシャカ:まずは「心と体を大切にすること」。これに尽きます。焦らないでいい。もし自分が理想としている表現がすぐにお金にならないなら、働けばいいんです。労働で対価を得ることは、世の中の役に立っている素晴らしいことですから。

イ:「お金にならない=評価されていない」という呪いに苦しむ若者は多いです。

カクマクシャカ:それは大きな間違い。僕自身、真っ暗な人生の時期がありましたが、お金と価値を切り離して考えることで救われました。自分が「いい」と思うことを、誰に何を言われても信じて続けてほしい。心に従って生きれば、後悔はしません。またライブ会場で、胸を張って皆さんに会えるのを楽しみにしています。

イ:カクマクさん、今日は魂が震えるような時間をありがとうございました!

インタビューの幕を閉じる今、彼の温かなエールが、あなたの次の一歩を照らす光となることを願っています。

5. 番組スポンサー募集のお知らせ

ラジオ番組「ミラクルモンスター」では、沖縄から若者の可能性を拓く活動を共に支えてくださるスポンサー様(応援団)を募集しています。 私たちの想いに共感してくださる方は、NPO法人Mirai KanaiのInstagramへ「スポンサーの件」とDMをお送りください。未来を創る若者たちの背中を、一緒に押しましょう!

6. 本日のスポンサー紹介

本日の放送を支えてくださった、素晴らしいサポーターの皆様をご紹介いたします。

多大なるご支援に、心より感謝申し上げます。

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