番組概要:ミラクルモンスター
NPO法人Mirai Kanaiがお届けするラジオ番組「ミラクルモンスター(通称:ミラモン)」は、ユニークな経歴や珍しい仕事を持つゲストを招き、その生き方や情熱を深掘りするキャリア教育番組です。子どもたちや若い世代が、世の中には多様な働き方があることを知り、未来の選択肢を広げるヒントを得ることを目的としています。
本日のゲスト紹介
沖縄県内でお米の卸売・精米事業を軸に、和菓子(お餅、わらび餅、大福)やかき氷事業を展開。AIによる業務最適化や「福利厚生米」といった革新的なビジネスモデルを次々と打ち出す、伝統産業のアップデートに挑む若きリーダーです。

ゲストプロフィール:銀行員としてのルーツ、米屋での革新
琉球銀行での勤務を経て、家業である株式会社渡慶次商事へ。銀行員時代、論理的でクリーンな「金融の論理」の中に身を置いた渡慶次氏は、そこで培った金融リテラシーを武器に、澱んだ空気の残る伝統的な米屋の世界に飛び込みました。学生時代に感銘を受けた「経営学」を単なる学問に留めず、現場でのクリエイティブな課題解決と利益創出に直結させる手腕が持ち味です。
現在は、お米の消費スタイルを再定義する「福利厚生米」の展開や、AIを用いた生産管理の自動化に注力。さらに、材料の共通性を活かした和菓子ブランドの構築や、独自の製法による「あんこブロック」を用いたかき氷事業など、美学と合理性を高次元で融合させています。「外部環境に期待しすぎない」という独自の哲学を胸に、伝統産業を圧倒的に儲かるクリエイティブな事業へと進化させるべく、日々変革を続けています。
キャリアの転換点に迫る:銀行員というエリートコースから一転、なぜ「コメ」という伝統の世界に賭けたのか。その決断の裏側に迫ります。
2. インタビュー本編:キャリアの原点・ターニングポイント
イ(インタビュアー):渡慶次さん、本日はよろしくお願いします!まずはキャリアの原点について。元々は琉球銀行で銀行員をされていたんですよね。
渡慶次:はい、5年ほど勤務していました。銀行員を辞めるタイミングは自分の中で計画していたことではありましたが、やはり大きな転機でした。同時にマイケル・ポーターなどの経営学の良書に出会ったことが、人生の武器を手に入れた瞬間でもありました。
イ:安定した銀行から家業の米屋へ。周囲からは「もったいない」という声もあったのでは?
渡慶次:確かにありましたが、自分の中では「銀行員時代の経験こそが米屋での成功を約束してくれる」という確信がありました。一番のメリットは、お金の流れや経済の仕組みを「仕組み」として客観的に捉えられるようになったことです。
イ:なるほど。商売の「現場」に入る前に、経済の「全体像」を金融機関の視点で見られたのは大きいですね。
渡慶次:ええ。経営において、感情に流されずに数字をフラットに見る力は、混乱した状況下で自分のIQを下げないための「フィルター」になります。銀行員としてリスク判断を学んだ経験が、今の攻めの経営の土台になっていますね。
イ:銀行員時代の「客観的な分析」と、経営者としての「当事者意識」。この二つが渡慶次さんの中でどう使い分けられているのか興味深いです。
渡慶次:良い質問ですね。分析は冷徹に行い、実行は情熱を持って行う。この切り替えこそが、経営学を実学として機能させるコツだと思っています。
視点の変化:銀行員と経営者の比較
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比較項目
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銀行員時代の視点
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経営者としての現在の視点
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数字の捉え方
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リスクを回避するための「審査対象」
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価値を創出し、再投資するための「エネルギー」
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産業の捉え方
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仕組みを支える「インフラ」の一員
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仕組みをハックし、再構築する「プレイヤー」
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意思決定の軸
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組織のルールと前例の遵守
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自分の哲学と市場の反応による自己責任
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次に、その決断の背景にある学生時代の葛藤について伺います。
3. インタビュー本編:学生時代や初期の葛藤
イ:渡慶次さんがそもそも経営学に目覚めたのは学生時代だとか。
渡慶次:そうです。大学の講義で「クリエイティブ(創造力)」と「お金儲け」が結びつく仕組みを知った時、雷に打たれたような衝撃を受けました。単にモノを売るのではなく、仕組みをデザインすること自体が利益を生む。その論理の美しさに魅了されたんです。
イ:でも、大学を出て銀行を経て、いざ家業の「米屋」に戻ってみたら……環境のギャップに驚きませんでしたか?
渡慶次:凄まじかったですよ(笑)。伝統的な業界特有の「オリジナリティなんていらない、余計なことをするな」という空気が充満していました。決められた作業をこなすことが正解とされる世界。自分のクリエイティビティをどこにぶつければいいのか、最初は相当な葛藤がありました。
イ:クリエイティブでありたい自分と、型通りの作業を求める現場。若者が一番ぶつかりやすい壁ですね。
渡慶次:ええ。でも、その「構造的な古さ」こそがチャンスだとも思いました。誰もやっていないからこそ、経営学のロジックを持ち込めば圧倒的な差別化ができるはずだと。
イ:葛藤をそのままにせず、業界の「余白」として捉え直したわけですね。
渡慶次:はい。常識を疑い、自分なりの「勝ち筋」を再構築する。そのプロセス自体が、僕にとってのクリエイティブな挑戦でした。
渡慶次氏が感銘を受けた「経営学の魅力」
- 創造力の利益化: 優れた仕組み(デザイン)が、直接的なキャッシュフローに変換される快感。
- 論理的な再現性: 運や勘ではなく、フレームワークを用いることで成功の確率を最大化できる点。
- 構造の再構築: 業界の既存ルールを分析し、自分に有利なポジションを戦略的に取りに行ける楽しさ。
こうした葛藤を経て、現在どのようなやりがいを見出しているのでしょうか。
4. インタビュー本編:現在の仕事の魅力とやりがい
イ:現在、お米屋さんという枠を大きく超えた活動をされていますが、具体的にどのような「仕掛け」をされているんですか?
渡慶次:例えば「福利厚生米」というサービスです。これは企業がお米を買い取り、従業員に配るものですが、実は物流のイノベーションでもあるんです。
イ:物流のイノベーション、と言いますと?
渡慶次:通常、お米の宅配は個人宅向けが多く、再配達などのコストが膨大です。しかし「福利厚生米」なら、平日の9時から17時の間に企業へ一括配送すればいい。再配達のない「ビジネスタイム配送」にすることで、配送コストを劇的に下げつつ、企業の採用力向上にも貢献できる。これぞ経営学的アプローチです。
イ:なるほど!お届け先の「時間」をハックすることで効率を生んでいるんですね。AIの活用についても気になります。
渡慶次:AIを導入して事務作業や精米の生産管理を自動化しています。人間がやるべきでない作業を機械に任せ、浮いたリソースを「食の美学」の追求に充てています。
イ:和菓子やかき氷事業もその一環ですよね。
渡慶次:はい。和菓子は「お米を最も美しく届ける形」の一つです。かき氷では、あんこそのものを凍らせた「あんこブロック」を削るという技術的工夫も取り入れています。材料の共通性を活かしつつ、他にはない価値を創り出す。これにたまらなくやりがいを感じます。
イ:まさに、伝統と最新技術が渡慶次さんの頭脳で一つに溶け合っている。
渡慶次:それが経営者としての醍醐味ですね。既存の価値観をアップデートする瞬間に立ち会えるのは、何物にも代えがたい喜びです。
渡慶次氏が展開する新事業・新サービスの狙い
- 【福利厚生米】
- 狙い:再配達コストのない「9時-17時配送」による物流の最適化と、企業の福利厚生向上。
- 【お米のとけし(和菓子)】
- 狙い:米という素材の付加価値を最大化し、ブランドとしての美学を提示する。
- 【AI・自動化の推進】
- 狙い:属人的な作業を排除し、人間にしかできないクリエイティブな意思決定に集中する環境構築。
成功の裏にある、業界特有の厳しい現実についても触れていきます。
5. インタビュー本編:仕事の大変さ・乗り越えた壁
イ:順風満帆に見えますが、米業界特有の「厳しさ」もありますよね。
渡慶次:もちろんです。最大の壁は「激しいダンピング競争(値下げ合戦)」です。価格だけで選ばれる世界は疲弊を生むだけです。だからこそ、僕は価格で勝負するのではなく、生産性の向上と独自のマーケティングで「戦わずして勝つ」ポジションを必死に探ってきました。
イ:外部環境の影響も受けやすい業界だと伺いました。
渡慶次:はい。2011年の東日本大震災の時は本当に厳しかった。放射能問題による米不足が発生し、産地への不信感も高まりました。自分たちの努力ではどうにもならない巨大な力に翻弄される恐怖を、あの時初めて味わいました。
イ:そうした不測の事態に、どう対処されたんですか?
渡慶次:結局、当たり前のことを愚直にやるしかないんです。従業員の採用や教育でも、「目標に達していない」という事実をフラットに伝え、感情論ではなく論理で改善を促す。入り口での採用ミスを減らし、価値観の合う精鋭部隊を作ることに集中しました。
イ:感情を切り離して「事実」に向き合う。それが渡慶次さんの強さですね。
渡慶次:厳しいと言われることもありますが、曖昧な優しさは結果として全員を不幸にします。事実に基づいた対話こそが、組織を強くすると信じています。
渡慶次氏が直面した「3つの大きな壁」
- 業界の構造的ダンピング競争: 価格破壊の波に飲み込まれず、いかに独自の利益率を確保するか。
- 未曾有の外部ショック: 東日本大震災による米不足や風評被害など、抗えない環境変化への対応。
- 組織運営における「当たり前」の共有: 自分の経営哲学をいに従業員に浸透させ、高い生産性を維持できるチームを作るか。
これらの困難を乗り越えるための、渡慶次氏の確固たる指針とは何でしょうか。
6. インタビュー本編:大切にしているモットー・価値観
イ:渡慶次さんのモットーは「あまり外部環境に期待しすぎない」だそうですね。
渡慶次:はい。マイケル・ポーターの「戦略とは何をやらないか決めること」や、楠木建さんの「ストーリーとしての競争戦略」といった知見から学びました。景気や社会情勢はコントロールできません。そこに期待し、一喜一憂するのは時間の無駄です。
イ:期待しない、というのは冷めているのとは違いますよね?
渡慶次:全く違います。「自分にコントロールできること」に全神経を集中させる、という意味です。迷った時ほど、経営学というフラットな指針に戻ります。すると、やるべきことが自ずと見えてくるんです。
イ:経営学が「感情のブレーキ」や「思考のアクセル」になっているんですね。
渡慶次:その通りです。学問的な視点は、混乱した状況下で自分をフラットな状態に保つための最強のツールになります。自分を客観視し、戦略的に動くための羅針盤ですね。
イ:その羅針盤があるからこそ、業界の荒波も迷わずに進めると。
渡慶次:ええ。外部の雑音に惑わされず、自分たちの「ストーリー」を構築すること。それが僕の経営のスタイルです。
影響を受けた人物・書籍と教訓
- マイケル・ポーター: 戦略の本質は「トレードオフ(何を選び、何を捨てるか)」にあるという教訓。
- 楠木 建: 経営をバラバラの要素ではなく、一貫した「ストーリー」として捉える重要性。
- 古典・名著: 何百年も変わらない「人間の本質」を学び、現代のビジネスに転用する知恵。
この哲学を持って、渡慶次氏はどのような未来を描いているのでしょうか。
7. インタビュー本編:未来への展望・挑戦したいこと
イ:これからの展望について、かなりストレートな目標があるとか。
渡慶次:はい。「圧倒的に儲かる新規事業を作る」ことです(笑)。これは僕にとって、社会に提供した価値の大きさを計る最もクリアな指標なんです。儲かっているということは、それだけ多くの人の課題を解決し、喜ばれている証ですから。
イ:現在、具体的に仕込んでいるプロジェクトはありますか?
渡慶次:生産体制のさらなる最適化はもちろんですが、和菓子事業の多角展開、そしてお米の流通を根本から変える新しいプラットフォームの構築を考えています。既存の米屋のイメージを完全に壊し、再構築したいですね。
イ:それが結果として、業界全体への貢献にもつながりますね。
渡慶次:そうなれば最高です。「米屋ってこんなにクリエイティブで、こんなに儲かる、カッコいい仕事なんだ」と若い世代に見せつける。それが僕の挑戦です。
将来の目標:2つの軸
- [ ] ビジネス面: 独自のイノベーション(AI・物流ハック)による、圧倒的な収益源の確立。
- [ ] 業界への貢献面: 伝統産業を「憧れの職業」へとアップデートし、若き挑戦者が集まる土壌を作る。
最後に、次世代を担う若者たちへのアドバイスをいただきました。
8. インタビュー本編:若い世代へのメッセージ
イ:これから社会に出る若者たちへ、渡慶次さんからアドバイスをお願いします。
渡慶次:とにかく「良書(古典・名著)」を読んでください。ネットの断片的な情報ではなく、長い年月を生き残ってきた本には、普遍的な人間の本質が書かれています。それが皆さんの人生を支える、最も強力な武器になります。
イ:本の知識が、実社会でどう役立つのでしょうか。
渡慶次:特に伝えたいのが、「お金がない状態を作らない」こと。お金に余裕がないと人間のIQは著しく低下し、正しい判断ができなくなります。そんな時、本から得た「フラットな視点」があれば、危うい判断を未然に防げるんです。
イ:お金とIQの関係、リアルな知見ですね。
渡慶次:本当にそうです。常に自分をフラットな状態に保てる環境を整えてください。あと、僕のブログ「お米のとけし」もぜひ読んでみてください。ふざけたことも書いていますが、根底には本質的な経営への想いを込めています。
イ:笑いの中に、生きるヒントが隠されているわけですね。
渡慶次:はい。自分の力で「仕組み」をデザインする楽しさを、一人でも多くの若者に知ってほしいです!
若者への「3つの行動指針」
- 流行のバズワードに惑わされず、普遍的な「古典・良書」で思考の基盤を固める。
- 経済的な余裕を確保し、常にIQを高く保てる「フラットな自分」を維持する。
- 環境のせいにせず、自らの創造力で人生の「仕組み」をデザインし、利益に変える。
本日は貴重なお話をありがとうございました!渡慶次さんのさらなる飛躍を楽しみにしています。
9. クロージングセクション
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