番組概要
NPO法人Mirai Kanaiがお届けするラジオ番組「Miracle Monster〜ミラモン〜」は、ユニークな経歴や独自のキャリアを持つ「モンスター」級のゲストを招き、その道のりや情熱を深掘りする番組です。次世代を担う子どもたちや若者に向けた「キャリア教育」を目的とし、多様な生き方の選択肢を提示することで、リスナーの未来にワクワクを届けることを使命としています。
本日のゲスト紹介
宮城よしえ(たまちゃん)氏 沖縄県うるま市赤道にあるお菓子屋さん「otama」オーナー。手作りのビスケットを中心に、プリントクッキーやえびせんの製造販売を行う。
リンク: otama公式Instagram

ゲストプロフィール
沖縄県うるま市赤道で、ビスケット専門店「otama」を営む宮城よしえ氏。幼少期におばあちゃんのお菓子作りを傍らで見た温かな記憶が彼女の原点だ。しかし、その道のりは平坦ではなかった。高校卒業後、滋賀県のキャノン工場で勤務していた時代に病を患い、「何もかもが嫌になった」という深い絶望を経験する。その暗闇の中で唯一、病を忘れさせてくれたのが「お菓子作りへの熱中」だった。 「楽しい」という直感に従い、未経験から店を立ち上げて15年。今や彼女の作るプリントクッキーは、地域の人々の卒業や合格といった人生の節目に寄り添い、笑顔の連鎖を生んでいる。苦難を「ずば抜けるための力」に変えてきた彼女の歩みは、迷える若者たちに「直感を信じる勇気」を教えてくれる。
2. インタビュー本編
キャリアの原点・ターニングポイント〜病を越えて見つけた「熱中」〜
イ(インタビュアー):今日はお越しいただきありがとうございます。宮城さんの作るお菓子には、食べた人を一瞬で笑顔にする魔法のような力がありますが、その「原点」はどこにあるのでしょうか。
宮城:一番の根っこはおばあちゃんですね。おばあちゃんの料理やお菓子作りを隣で見たり、手伝ったりするのが本当に大好きだったんです。でも、実は今の仕事に繋がる決定的な出来事は、大人になってからの「どん底の経験」にあります。
イ:滋賀県のキャノン工場でコピー機を作っていらした頃のお話ですね。病気を患われたと伺いました。
宮城:そうなんです。当時は本当に心身ともにボロボロで、何もしたくないし、生きることさえ嫌になっていました。そんな時、唯一私を救ってくれたのがお菓子作りでした。不思議なんですけど、一人で黙々と生地を練っている時だけは、病気の痛みや不安を忘れられたんですよ。
イ:お話を伺っているだけで鳥肌が立ちました……。お菓子作りが「治療」ではなく、心の「救い」そのものだったのですね。
宮城:はい。「これに没頭している時だけは、私は自由になれる」と感じて。その熱中が、もう一度社会に戻ろうというエネルギーをくれました。あの暗闇の時期がなければ、今の「otama」という光は生まれていなかったと思います。
学生時代と初期の葛藤〜無口な少女が学んだ「仕事の本質」〜
イ:今では「太陽のようなたまちゃん」として知られていますが、意外にも学生時代は「ぼっち」だったとか?
宮城:あはは、そうなんです!小中学校までは本当におとなしくて無口。友達もほとんどいなくて、隅っこで誰かが楽しんでいるのを眺めている「人間観察」が大好きな控えめな子でした。
イ:そんな少女が、どうやって今のようなパワフルな経営者へと変貌を遂げたのですか?
宮城:きっかけは高校での「高校デビュー」ですね。髪を染めて、ケンタッキー(KFC)でバイトを始めたんです。そこで出会った店長がすごく厳しくて。私はミスも多いし、当時は「なんでピアスを外しなきゃいけないんだ」って反抗するような生意気なバイトでした(笑)。
イ:店長とのバトルのエピソード、ぜひ詳しく聞かせてください(笑)。
宮城:ピアスを外せと言われた時、「なんでですか?」って食ってかかったんです。心の中では「どうせポテトの中に落ちるわけないじゃん」って思ってましたけど(笑)。でも店長は、「もし万が一混入したら、お客様がどう思うか」という理由を、感情的にならずに教えてくれた。
イ:そこで「理由」に納得して、宮城さんの中で何かが変わった。
宮城:はい。「仕事には、誰かのための理由があるんだ」と腑に落ちた瞬間、接客の景色がガラッと変わりました。怒られることの意味を考え、自分を変えていく過程で「仕事の面白さ」を見つけたんです。あの反抗期があったからこそ、今のプロ意識があるんだと思います。
15年続く「otama」の魅力とやりがい〜笑顔が広がるプリントクッキー〜
イ:今年で15周年を迎えられた「otama」ですが、店名にはご自身のルーツが刻まれているそうですね。
宮城:私の旧姓が「玉本」だったので、ずっと「たまちゃん」と呼ばれていたんです。お店の名前を決める時、自分が一番テンションが上がって、親しみを持って呼ばれる名前にしたいなと思って「お玉(otama)」にしました。
イ:15年もの間、地元の方々に愛され続けてきた秘訣はどこにあると感じていますか?
宮城:ただお菓子を売るのではなく、お客様との「心のやり取り」を大切にしてきたからだと思います。オープン当初から15年、ずっと通い続けてくれる方がいて、時にはお菓子を買うよりも私とおしゃべりするために寄ってくれる。そんな絆が支えになっています。
イ:特にオーダーメイドのプリントクッキーは、受け取った側の感動もひとしおですよね。
宮城:そうなんです!一歳の誕生日、卒業、合格……。お客様が持ってきてくれる写真やメッセージには、一人ひとりの大切なストーリーが詰まっています。プレゼントした後に「めちゃくちゃ喜ばれました!」という報告をいただくと、笑顔の輪が広がっていく手応えを感じて、この仕事をしていて本当に良かったと胸が熱くなりますね。
一人経営の大変さと乗り越えた壁〜「打たれないくらい抜けろ」〜
イ:15年という歳月を一人で切り盛りされるのは、並大抵の苦労ではないはずです。経営者としての葛藤はありましたか?
宮城:お菓子を作る楽しさだけでは済まないのが現実です。事務作業、在庫管理、SNSでの発信……全部一人。時代の流れが速すぎて、常にアンテナを張っていないと一瞬で置いていかれる恐怖は常にあります。
イ:そんな時、宮城さんの指針となった言葉があるとお聞きしました。
宮城:商工会の活動で出会った、全国商工会青年部連合会の会長さんにいただいた言葉です。「たまは目立つし打たれやすい。出る杭は打たれるが、打たれないくらい抜けろ(ずば抜けろ)」と言われたんです。
イ:中途半端に目立つから叩かれる。だったら、誰にも追いつけない場所まで行け、と。非常に力強いアドバイスですね。
宮城:はい。その言葉で覚悟が決まりました。何か新しいことに挑戦してバッシングを受けることがあっても、「私はもっと先へ行くんだ」と思えるようになった。その「ずば抜ける覚悟」が、私を経営者として成長させてくれたんです。
大切にしているモットー・価値観〜関わる人全員を笑顔にする〜
イ:宮城さんの行動原理の根底にある、最も譲れない価値観は何でしょうか。
宮城:シンプルですが、「関わる人全員に笑ってほしい」ということに尽きます。自分がまず一番に笑っていること。そうすれば、自然と周りにも笑顔の人が集まってくると信じているんです。
イ:その「笑顔」へのこだわりは、時に周囲の理解を上回る行動力に繋がることもありますよね。
宮城:ありますね(笑)。「これをやったら反対されるかも」と思っても、その先にみんなが笑っている未来が見えるなら、私は迷わず「やります」と言い切ります。たとえ今は理解されなくても、未来の笑顔が見えるから強気でいられる。
イ:まるで、未来の景色が先に見えているかのようです。
宮城:そうかもしれません。私の想いを完璧に言語化してくれる仲間がいれば最強なんですけど、今は背中で語るしかなくて。でも、最後には「たまちゃんが言うなら、きっと楽しくなるね」と思ってもらえる存在でありたいと思っています。
未来への展望と挑戦〜15周年の感謝祭と地域への恩返し〜
イ:15周年という節目に、これからどのような未来を形にしていきたいですか?
宮城:まずは、11月に開催する「15周年感謝祭」を成功させたいです。本当の記念日は3月でしたが、遅れてでもしっかり感謝を伝えたい。抽選会やプレゼントなど、長年支えてくれたお客様がワクワクするような企画をインスタで発表していきます。
イ:さらに、地域貢献への想いも加速されていますよね。
宮城:うるま市の「通り会」の活動を通じて、来年こそはコロナ禍で止まっていた「観月の夕べ」というイベントを復活させたい。地域が盛り上がるというのは、単に人が集まることではなく、そこに「人を喜ばせたい」と思う人が増えることだと思うんです。
イ:そのために、次世代へのアプローチも考えていらっしゃるとか。
宮城:はい。お店でのワークショップや職場体験を増やしていきたいです。子どもたちに、お菓子作りの技術だけでなく「自分が作ったもので、目の前の人が笑顔になる感動」を知ってほしい。人を喜ばせる人を増やすこと、それが私なりの地域への恩返しです。
若い世代へのメッセージ〜直感を信じ、多様な世界を知ること〜
イ:最後に、これからキャリアを築く若者や、一歩踏み出すのを躊躇している方へメッセージをお願いします。
宮城:とにかく「楽しそう!」という自分の直感を信じて、迷わず動いてみて。私も「お店をやりたい」と思った瞬間、何も考えずに物件を探しに行きました。頭で考えているだけでは何も見えませんが、動いてぶつかれば、誰かが助けてくれるし解決策も見つかります。
イ:まず行動し、走りながら考える。宮城さんの15年がそれを証明していますね。
宮城:あともう一つ。若いうちに、自分の好きなジャンル以外の、多様な世界の人と話をしてください。自分とは全く違う価値観に触れることで、知識が広がり、未来の選択肢が爆発的に増えます。
イ:異なる価値観を拒まず、糧にする。それが人生の厚みに繋がるのですね。
宮城:そうです!「なんとかなるさ」という精神で、まずは世界を広げてください。直感で選んだ道が、15年後の最高のキャリアに繋がっているはずですから。今日は本当にありがとうございました!
3. エンディング
番組スポンサー募集のお知らせ
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