1. 番組概要
NPO法人Mirai Kanaiがお届けするラジオ番組「Miracle Monster〜ミラモン〜」。 本番組は、独自のキャリアを切り拓き、常識に挑み続ける大人のリアルな姿を届けることで、若い世代に「未来の選択肢」を提示することを目的としています。「なぜその道を選んだのか」「壁をどう乗り越えたのか」。挑戦者の熱い言葉を通じて、次世代が自らの夢を描くためのヒントを提供していきます。
2. 本日のゲスト紹介
堂本 尚吾(どうもと しょうご)氏 / 山田 祐也(やまだ ゆうや)氏
肩書き: 一般社団法人ツナグミライ 代表理事(堂本氏) 一般社団法人ツナグミライ 理事(山田氏)
活動紹介: 沖縄県うるま市を拠点に、中学校部活動の地域移行・改革や、陸上クラブ「ランイット」の運営、さらには阪神タイガースのキャンプ運営支援など、地域スポーツの課題解決に泥臭く、かつ情熱的に取り組まれています。
リンク: 一般社団法人ツナグミライ 公式サイト

3. ゲストプロフィール
「規律」の自衛官と「教育」の教師。対照的な道を歩んできた二人が、沖縄で交差した。堂本氏は広島出身。箱根駅伝を目指し神奈川の大学で陸上に心血を注いだ後、高校体育教師へ。「自分が成長し続けなければ教育者ではない」と安定を捨て沖縄へ移住するも、根拠のない自信が砕ける挫折を経験した。一方、山田氏は元陸上自衛官。9.11テロ直後の嘉手納基地で防弾チョッキを纏い弾薬庫を守る緊迫した日々を経て、「一度きりの人生、本気で楽しく生きたい」とヒッピーのような旅へ。2021年の研修で出会った二人は、部活動の在り方に違和感を抱き、「一般社団法人ツナグミライ」を設立。組織の論理よりも「個の輝き」を最優先する独自のスタイルで、地域スポーツの未来を塗り替えている。
4. インタビュー本編
4.1 キャリアの原点:走る少年と「ゴンザレス」なサッカー小僧
イ(インタビュアー):本日のゲストは、「一般社団法人ツナグミライ」の堂本尚吾さんと山田祐也さんです。よろしくお願いします!……すみません、山田さん。そのワイルドな風貌、先ほど「阪神(キャンプの仕事)」とおっしゃいましたが、一瞬「反社(反社会的勢力)」に聞こえてしまって(笑)。
山田:あはは、それよく言われるんですよ!子供たちからも「丸山ゴンザレス」とか言われてますから。見た目はこうですが、中身はただの「子供と同じ目線で遊びたいおじさん」なんで安心してください(笑)。
イ:失礼しました(笑)。でも、その「遊び心」が今の活動の根源なんですよね。お二人の原点を聞きたいのですが、堂本さんは幼少期から「走る」のが代名詞だったとか?
堂本:そうですね。自転車に乗れなかったわけじゃないんですが、どこへ行くのも全力疾走。友達の家へ行くのも、帰り道もずっと。周囲からは「あいつは自転車に乗れないから走ってるんだ」と勘違いされるほど、記憶の中の僕は常に走っていました。それが巡り巡って箱根駅伝を目指す道に繋がったんです。
イ:対して、山田さんはサッカー小僧だったんですよね。
山田:はい、サッカー一筋です。でも中身はただの「クラスのお調子者」。人気者になりたくて、いつもふざけて周りを盛り上げているような子供でした。今もサッカーを続けていますが、当時と変わらず「友達」として子供と本気で遊んでいる感覚です。
イ:大人になっても「友達として遊ぶ」というのは、意外と難しいことですよね。
山田:みんな「大人になろう」としすぎなんですよ。「誰が決めたんだ?」って話で。年齢なんて関係なく、本気で笑って、本気で汗をかく。それが僕のスタイルだし、今の活動でも一番大切にしている「熱量」の源ですね。
4.2 安定を捨てた転機:体育教員と自衛官が選んだ「変化」
イ:前職も非常に興味深いです。堂本さんは高校の体育教師、山田さんは自衛官。お二人とも「安定」や「規律」の象徴のような職業から、なぜ今の挑戦的な道へ?
堂本:広島で6年、沖縄で1年半、教員として教壇に立ちました。でも、子供たちの爆発的な成長スピードを間近で見ているうちに怖くなったんです。「自分自身が変化し続け、成長し続ける環境にいないと、本当の意味で教育者にはなれない」と。それで教員を辞め、広島から沖縄へ飛び出しました。
イ:でも、移住してすぐに順風満帆とはいかなかったそうですね。
堂本:ええ。最初は「何かやれる!」という根拠のない自信しかなかった。でも、その勘違いのせいで一度は手痛い挫折を味わいました。でも、その泥臭い経験があったからこそ、今の「ツナグミライ」があると思っています。
イ:山田さんは、自衛官としてかなり緊迫した現場にいらしたとか。
山田:沖縄サミットの警備もそうですが、特に9.11テロの後の嘉手納基地ですね。防弾チョッキを着て、弾薬庫の前でレーダーを監視する日々。ピリピリした空気の中で、「もしテロが来たらどうする?」なんて仲間と話しながら。でも、ある時気づいたんです。「たった一度の人生、このまま型にはまって終わるのは面白くない。もっとワクワクしたい!」って。
イ:そこからヒッピーのような旅に出たと(笑)。
山田:そうです(笑)。大阪へ行ったり自由業を転々としたり。自衛隊という「規律の極致」にいたからこそ、反動で自由の尊さが身に染みた。その後、2021年の研修で堂本と出会い、お互いに「子供心」を失っていない部分で共鳴して。そこが全ての始まりでしたね。
4.3 「当たり前」への違和感:中学校部活動の地域移行という「正解のない挑戦」
イ:現在取り組まれている「部活動の地域移行」。これ、言葉で言うのは簡単ですが、現場を変えるのは相当なエネルギーが必要ですよね。
堂本:今の部活動は、教員の先生方の自己犠牲の上に辛うじて成り立っています。これ、普通の会社員に例えたら異常ですよ。「就業時間の4時を過ぎてから、夜7時まで毎日、無給でオフィスの掃除を強いられている」ようなものです。そんなの、誰もがおかしいと思っているのに、なぜか「教育だから」という言葉で正当化されてきた。
イ:その比喩、めちゃくちゃ分かりやすいです。誰もが抱いていた「漠然とした違和感」ですね。
堂本:僕らはその違和感に、具体的にアクションを起こしたいんです。学校という枠を超えて、地域全体で子供のスポーツ環境を支える「地域展開」。自分たちで「ランイット」という陸上クラブを運営し、質の高い指導を地域に提供する。それが先生方を救い、結果的に子供たちの選択肢を広げることに繋がります。
山田:でも、沖縄の地域性っていうのもあって、最初はなかなか受け入れられなかった。伝統があるのは素晴らしいことだけど、「昔からこうなんだ」「新しい団体なんていらない」っていう空気感がすごくて。
イ:既存の枠組みを壊そうとすると、どうしても反発が生まれますよね。そこをどう突破したんですか?
堂本:結局、理屈じゃないんです。自分たちが動いて、子供たちが楽しそうに成長している姿を見せるしかない。僕らは少し「変人」だと思われてもいい。誰もやらないなら、僕らが泥臭くやる。その覚悟だけでした。
4.4 泥臭い壁:投げられた石と、それを跳ね返す「2年間の実績」
イ:改革の過程では、かなり厳しい言葉も飛んできたとお聞きしました。
山田:最初の頃はすごかったですよ。まさに「言葉の石」が飛んでくるような状態。「おせっかいだ」「迷惑だ」なんて声も聞こえてきました。良かれと思ってやったことが、全否定される。正直、メンタルコントロールには今も苦労しています(笑)。
イ:そんな時、お二人はどうやって立ち止まらずにいられたんでしょう?
堂本:もう、実績で黙らせるしかないと腹をくくりました。活動を始めて2年経った今、ようやく「これを見ろ」と言えるだけの成果が出てきました。行政や教育委員会とも連携を深め、少しずつですが景色が変わってきた。
イ:石を投げられても、それを跳ね返すだけの実績を愚直に作り上げたわけですね。
山田:そうです。誰かが喜んでくれる瞬間のために、僕らは砕け散りながらも進み続ける。元FC琉球の上里一将さんがアンバサダーを引き受けてくれたのも、僕らのこの「泥臭さ」を認めてくれたからだと思っています。憧れだった上里さんと今、共に活動できている。これはアクションし続けた僕らへの最高のご褒美ですね。
4.5 大切にしているモットー:「組織」ではなく「個々の成長」に目を向ける
イ:お二人が活動する上で、絶対にブレない「軸」は何ですか?
堂本:それは「個々の成長に目を向けること」です。主語を「うるま市」とか「チーム」という大きな組織にしない。目の前の一人の子供、一人の指導者が、今日どう変わったか。そこだけにフォーカスしています。
イ:チームの優勝や準優勝という結果よりも、大切なものがあると。
堂本:毎年メンバーは入れ替わります。組織としての結果は、一時の数字に過ぎない。それよりも、この一年で「一人の人間」として何を得たか。個が輝くための土台として組織があるべきであって、組織のために個を埋没させてはいけない。そこは僕が教育者として譲れない部分です。
イ:山田さんも、同じ想いですか?
山田:もちろんです。僕が子供たちを「友達」と呼ぶのも、一対一の人間関係を大切にしたいから。パパイヤ鈴木さんの振り付けに憧れてダンスを真似ていたあの頃の僕のように、何かに夢中になる「個」の熱量を、大人の理屈で消したくないんです。
4.6 未来への展望:広い心で、誰かのチャレンジを応援したい
イ:今後、ツナグミライとして、あるいは個人として描いている夢は?
堂本:これまでは自分がリーダーシップを執って走ってきましたが、これからは「誰かのチャレンジを、広い心でどっしりと応援する側」にも回ってみたいですね。次世代が新しいことを始めるのを、見守り、支えられる存在になりたい。
イ:山田さんはいかがですか?
山田:僕は、僕みたいに「子供と本気で遊べる大人」をもっともっと増やしたい!類は友を呼ぶと言いますが、今、僕らの周りには少しずつそんな仲間が集まってきています。「大人になろうとしすぎず、本気で遊ぶ」。そんな大人が地域に溢れれば、子供たちの未来はもっと面白くなるはずです。
4.7 若い世代へのメッセージ:悩む前に、まずはやってみる。慣れれば怖くない。
イ:最後に、未来に迷っている若い世代へ、熱いメッセージをお願いします。
山田:とりあえず、やるしかない!僕は30歳を過ぎてから変なダンス(マトリョーシカ)を始めたりもしましたが(笑)、何歳からでも挑戦はできます。「失敗したらどうしよう」なんて考える前に、一歩踏み出してください。
堂本:正解なんてどこにもありません。教員という安定を捨てても、なんとかなります。自分がやろうとしていることが間違いかもしれないと足踏みする時間がもったいない。
イ:一歩踏み出すのが怖い、という人にはどう声をかけますか?
山田:それは「慣れ」です!自衛隊の厳しい任務だって、やっていれば慣れました(笑)。最初の一歩は怖くても、二歩目、三歩目には景色が変わります。僕らみたいな「はみ出し者」でもここまで来られた。だから、あなたも大丈夫。まずは、やってみて!
5. 番組スポンサー・お知らせ
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