番組概要
NPO法人Mirai Kanaiがお届けするラジオ番組「ミラクルモンスター(通称:ミラモン)」。ユニークな経歴や珍しいお仕事をしている方をゲストにお招きし、その道のりや考え方、夢中になっていることをとことん深掘りして、リスナーの皆さんと一緒に勝手に応援していく番組です。さまざまな大人の働き方や生き方を通して、子どもたちや若い世代へ未来の選択肢や夢のヒントを届けていくキャリア教育も目的としています。
本日のゲスト紹介
古謝 辰樹(こじゃ たつき)さん 肩書き: 映像クリエイター / フォトグラファー / 株式会社フリックトーン 代表取締役 ウェディング撮影をはじめ、WEB広告制作やSNSコンテンツの制作など、映像と写真の分野で幅広くクリエイティブ事業を展開されています。周囲のクリエイターと共に高め合う「下克競争」を掲げ、関わるすべての人を笑顔にする組織づくりと作品制作に挑んでいます。 リンク: 株式会社フリックトーン
ゲストプロフィール
1990年生まれ、沖縄県浦添市出身。服飾専門学校卒業後、大手スポーツアパレル企業でデザイナーとして勤務。ポスター撮影をきっかけにカメラと出会い、MV撮影現場でのミラーレス一眼1台の衝撃を受けて独立を決意。2020年に沖縄へ帰郷し、フリーランスを経て株式会社フリックトーンを設立。ウェディングやWEB広告、SNSサポート事業を手掛けつつ、「下克競争(共に創る)」の精神でクリエイターが活躍できる環境を創出。「自分自身の手で映画を撮れる監督・クリエイターになる」という原点の夢に向かい、情熱を持って挑戦を続けている。
インタビュー本編
「ミラーレス1台」の衝撃が破った固定観念〜アパレルデザイナーからカメラの世界へ〜
イ(インタビュアー):本日のゲストは、映像クリエイターであり株式会社フリックトーン代表の古謝辰樹さんです!古謝さん、よろしくお願いします。まずは古謝さんのキャリアの原点についてお伺いしたいのですが、最初は映像ではなく、全く別のお仕事をされていたそうですね?
古謝:よろしくお願いします!そうなんです。僕はもともと服飾・デザイン系の専門学校に通っていまして、卒業後に最初の就職先として選んだのがスポーツアパレルの会社でした。愛知県の名古屋にある会社で、ウインターウェア、つまりスキーやスノーボードのウェアなどのデザイナーとして働き始めたのがキャリアのスタートです。
イ:スポーツアパレルのデザイナー!すごくかっこいいですね。具体的にはどういったデザインのお仕事をされていたんですか?
古謝:単にウインターウェアの表面的な色や柄をかっこよく見せるだけではなくて、ウェアとしての立体的な形や、雪山で耐えられる機能性まで細かく設計してデザインする仕事でした。締め切りや制作スケジュールに追われる現場だったので、プロとして「時間の配分」や「脳みそ(アイデア)の効率的な使い方」という制作の基礎を徹底的に叩き込まれましたね。
イ:なるほど!デザインの現場で培った時間配分やアイデアの出し方が、今のクリエイティブの土台になっているんですね。そこからどうやって「カメラ」や「映像」の世界に足を踏み入れることになったのでしょうか?
古謝:自社ブランドを展開している会社だったので、自分たちで制作した服のポスターを作る機会があったんです。そのポスター撮影の際、モデルさんを探して自分たちの服を着てもらい、自分たちの手で撮影しようということになって。そこで初めてプロ用のカメラを触ったのがきっかけでした。「せっかくカメラを覚えたんだから、副業として仕事にしてみたい」と思い立って、SNSなどで素人でも現場に入れる仕事を探して、ウェディング撮影のアシスタントとして入り始めたんです。
イ:最初は会社員をしながら副業としてウェディングのアシスタントをされていたんですね。そこから本格的に映像の世界で独立を決意する「大きなターニングポイント」があったとお聞きしました。
古謝:そうなんです。名古屋にいた頃、SNSで「ミュージックビデオ(MV)の撮影アシスタント募集」というのを見つけて現場に行ってみたんですよ。当時の僕の頭の中には、「プロの映像撮影=テレビ局みたいな巨大なカメラに、複雑なモニターや仰々しい照明機材を組んだ重厚な現場」という強いイメージがありました。
イ:分かります!テレビの裏側特集で見るような、ものすごい大がかりな機材が並んでいるイメージですよね。
古謝:そうですよね。ところが、実際のMV撮影現場に行ってみたら、カメラマンさんが手にしていたのはコンパクトな「ミラーレス一眼カメラ1台と小さな三脚」だけだったんです!「えっ、こんなにシンプルな装備で、あんなにかっこいいミュージックビデオが撮れちゃうの!?」って、ものすごく衝撃を受けました。自分の中で勝手に高く設定していた「カメラマン」というハードルが一気に下がって、「これなら自分も挑戦できるかもしれない!」と一気に勇気が湧いてきたんです。そのワクワクした高揚感のまま、自分用のカメラをすぐ買いに走りました。
物語への情熱とコロナ禍での独立〜縦社会の葛藤と1人ですべてを背負う覚悟〜
イ:ミラーレス1台との出会いが古謝さんの背中を強力に押したんですね!元々カメラに興味を持った背景には、幼少期や学生時代の体験も関係しているのでしょうか?
古謝:そうですね。子供の頃の僕は好奇心旺盛な反面、すごく飽きやすくて、何かにはまってはすぐ飽きて別のことを始める子供でした。ただ、唯一ずっと好きだったのが、映画やドラマ、漫画、小説といった「ストーリー(物語)」のある作品だったんです。学生時代には自分で登場人物の設定やあらすじ、ノートに物語の構想を書き溜めたりしていて、「いつか自分の手で物語を作ってみたいな」という思いを秘かに持っていました。
イ:少年の頃から物語を作ることに夢中だったんですね。その情熱とカメラが結びついて、沖縄に帰郷して独立という大きな決断に繋がっていくわけですね。
古謝:はい。僕は元々「30歳になる前には地元・沖縄に帰る」と心に決めていたので、29歳になった2020年3月に長年過ごした愛知を離れて沖縄に戻ってきました。そして会社を辞め、沖縄でフリーランスの映像クリエイターとして独立したんです。
イ:2020年3月というと、ちょうど世界中で新型コロナウイルスが猛威を振るい始めた時期ですよね……!
古謝:まさにドンピシャでコロナ禍に突入したタイミングでした(笑)。イベントや結婚式がストップして厳しい状況ではありましたが、地元に残っていた友人や知人、人からの紹介に助けられながら、一つひとつ映像のお仕事をさせていただきました。ちょうど世の中でフリーランスという働き方が増えていた時期でもあったので、周りも温かく応援してくれましたね。
イ:会社員からフリーランスとして独立して、ご自身の中で一番大きな意識の変化や気づきは何でしたか?
古謝:すごくありきたりなんですけど、「会社員時代は組織に守られていたんだな」ということに改めて気づかされました。会社員時代、前職の環境はいわゆる縦社会で、人間関係や管理される息苦しさに葛藤することも多かったんです。当時はそれがすごく嫌だったんですが、いざフリーランスになってすべての責任が自分一人にかかってくると、「あの縦社会や制御されていた環境も、会社という組織が自分を守ってくれていたんだ」と深く理解できました。自由を手に入れた分、全責任を背負う重みと厳しさを知ったことが、大きな成長のステップでしたね。
映像制作で最もワクワクする「準備」の時間〜構成を練りストーリーを創り出す魅力〜
イ:全責任を背負って一歩を踏み出し、現在は株式会社フリックトーンを設立されて幅広く活躍されている古謝さんですが、今の映像や写真のお仕事の中で「ここがたまらなく面白い!やりがいだ!」と感じる瞬間はどこですか?
古謝:僕が制作の中で一番ワクワクして楽しいと感じるのは、撮影現場でカメラを回している瞬間よりも、実は「準備をしている時間」なんです!絵コンテを書いたり、構成を練ったり、どんなストーリー展開にして登場人物や被写体をどう魅せるかを考えている時間が、たまらなく面白いですね。
イ:ええっ!現場での撮影ではなく「準備段階」が一番楽しいんですか!?一般的なイメージだと、準備は大変で撮影がメインに思えてしまいますが。
古謝:そう思われがちですよね(笑)。でも僕の場合は、幼少期から物語の登場人物や設定を考えるのが大好きだったので、構成や絵コンテをじっくり組み立てていく作業そのものが一番のクリエイティブなんです。「このカットとこのストーリーを組み合わせたら、観た人はどんな感情になるだろう?」と想像しながら設計図を作っていく時間が最高にワクワクします。
イ:なるほど!まさに少年の頃にノートに物語を書き溜めていた情熱が、現在の映像の構成づくりにそのまま活かされているわけですね。頭の中にあるアイデアが形になっていく過程こそが、古謝さんの原動力なんですね。
古謝:そうですね。準備段階でどれだけ緻密にストーリーや構成を練り上げられるかが作品のクオリティを決めますし、自分の頭の中にあるアイデアをクリエイティブとして構築していく瞬間が、映像制作における最大の醍醐味だと思います。
「正解がない世界」とプロの葛藤〜お客様との意思疎通と自分にかけるプレッシャー〜
イ:準備の段階から強いこだわりと情熱を持って臨まれている古謝さんですが、逆にこの仕事ならではの「大変さ」や「乗り越えなければいけない壁」を感じるのはどういった時でしょうか?
古謝:一番大変なのは、映像や写真というクリエイティブには「絶対的な正解がない」ということです。自分が「これは最高にかっこいい!完璧だ!」と思って作り上げた映像であっても、依頼してくださったお客様が求めているイメージとずれてしまっていたら、それはプロの仕事として成立しません。
イ:なるほど……!芸術作品としての自己満足ではなく、クライアントや新郎新婦様が何を求めているかを汲み取らなければならないわけですね。
古謝:まさにそうです。特にウェディングや企業広告の仕事は、単に映像を撮る技術だけでなく、お客様の想いや意図を深く聞き出す「接客業・コミュニケーション能力」が不可欠になります。そこが難しさであり、同時に面白さでもあるんですが。
イ:お客様の求めるものをカタチにする難しさですね。さらに、リピートで依頼されるお客様に対してのご苦労もあるとお聞きしました。
古謝:そうなんです。WEB広告や企業案件などでリピートしてご依頼いただいた際、「前回の自分の作品のクオリティを絶対に超えなければいけない」と、自分で自分にすごく高いプレッシャーをかけてしまうんです。お客様は前回のクオリティに満足して頼んでくださっているのに、自分のプロ意識として「次はもっと素晴らしいものを届けたい」とハードルを限界まで上げてしまう。この葛藤とプレッシャーは常に自分の中で戦い続けている部分ですね。
モットーは全員が笑顔になること〜「下克競争」と『野ブタ。をプロデュース』の教訓〜
イ:自分の妥協を許さないプロ意識があるからこそ、常に前回の自分を超えようと戦われているんですね。そんな古謝さんが、お仕事や組織づくりの中で最も大切にしているモットーや価値観は何ですか?
古謝:「関わるお客様も、一緒に働く社員や仲間も、みんなが笑顔になれる仕事と組織をつくること」です。これが僕のすべての根幹にあります。
イ:みんなが笑顔になれる組織づくり!フリーランスとして1人で活動するだけでなく、会社(株式会社フリックトーン)を立ち上げた理由もそこにあるのでしょうか?
古謝:はい。コロナ禍でフリーランスのカメラマンは一気に増えたんですが、熱意や素晴らしい撮影技術を持っているのに、営業やビジネスへの繋げ方が分からずに挫折して辞めていってしまう人がすごく多かったんです。そんな姿を見て「技術や情熱があるクリエイターたちが、ちゃんと仕事を得て一緒に活躍できる場所をつくりたい」と思って法人化しました。
イ:素晴らしい想いですね!仲間を救い、一緒に活躍できる環境をつくるために会社化されたんですね。フリックトーンさんには、独自の合言葉があると伺ったのですが……?
古謝:僕が勝手に作った造語なんですが、**「下克競争(げこくきょうそう)」**という言葉を掲げています!これは一般的な「下克上」と、仲間と共に創り出す「共創」を掛け合わせた言葉なんです。「1人では届かない大きな存在や高い壁であっても、志を同じくする仲間と共に創り上げる力(共創)を結集すれば、上の存在とも対等以上に戦っていける!」という想いを込めています。
イ:「下克競争」!すごく熱くて勇気が湧いてくる言葉ですね!個人の競い合いではなく、チームで協力して共に高め合っていく姿勢が伝わってきます。そうした古謝さんの「人をプロデュースし、仲間と共に活かす」考え方に影響を与えた作品があるそうですね?
古謝:中学2年生の時に観たドラマ『野ブタ。をプロデュース』です!当時の僕は自分中心の狭い視点しか持っていなかったんですが、人気者とはぐれ者の二人がいじめられっ子の少女をプロデュースして学校の人気者にしていくストーリーを観て、「人を客観的・俯瞰的に見て、その人の魅力を引き出してプロデュースする」という視点を強力に叩き込まれました。自分を客観視すること、そして人の潜在能力を引き出して輝かせるプロデュースの面白さを知ったことが、今の僕の仕事の軸になっています。
原点の夢「自分自身の手で映画を撮れる自分になる」〜仲間と共に広げる未来の挑戦〜
イ:中学時代のドラマとの出会いが、今の「人を輝かせるプロデュース視点」や「下克競争」の理念に深く繋がっているんですね!さて、ここからは古謝さんの今後の未来や夢について伺いたいのですが、これから一番挑戦したい目標は何でしょうか?
古謝:僕がこれから達成したい最大の目標は、**「自分自身の手で映画を撮れる監督・クリエイターになること」**です!
イ:映画監督!幼少期からの「物語が好き」という原点が、ここにまっすぐ繋がってくるわけですね!ただ、「映画を撮りたい」ではなく「映画を撮れる自分になる」という言葉のニュアンスがすごく印象的です。
古謝:そこには僕なりのこだわりがありまして……。映画は僕にとって最大の原点であり、一番大切にしている夢なんです。だからこそ、自分の事業や人間性、クリエイターとしての技術や環境にまだ十分な余裕や自信がない状態で、焦って手を伸ばして消化不良で終わりたくないんです。「映画を1本撮って満足して終わり」になるのが怖くて。ビジネス的にも心としても確固たる余裕を持ち、納得できる自分になって初めて挑戦したいという想いを込めて「映画を撮れる自分になる」と表現しています。
イ:それだけ映画という存在を大切に敬い、真摯に向き合っているからこその言葉なんですね。現在はウェディングや広告だけでなく、新しい挑戦も次々と始められているとか?
古謝:はい!ウェディング分野では、名護市の21世紀の森に新しくオープンした挙式会場の映像制作を専属で担当させていただいたり、カメラマンやヘアメイクさんの活躍の場を広げています。さらに、WEB広告に加えてSNSのサポート事業も立ち上げました。今後はMirai Kanaiの皆さんとのショートドラマ制作や、仲間たちと共に映像表現の幅をどんどん広げていきたいと思っています!
「悩むくらいなら、とにかく飛び込め!」〜未来のクリエイターと若い世代へ〜
イ:どこまでも情熱的に挑戦を続ける古謝さんから、これから自分の進路やキャリアに悩み、一歩を踏み出すのを躊躇している子どもたちや若い世代、起業志望の読者へメッセージをお願いします!
古謝:僕自身にも常に言い聞かせていることなんですが……**「やりたいと思ったら、あれこれ悩む前にとにかく飛び込んで始めてみた方がいい!」**ということです。
イ:とにかく飛び込んで始めてみる!シンプルなようで、失敗が怖い若い世代にとっては一番勇気がいることかもしれません。
古謝:頭の中でいくら「失敗したらどうしよう」「自分にできるかな」と悩み続けて行動しなくても、結局その悩みはずっと消えないんですよね。それなら、思い切って飛び込んでやってみた方がいい。やってみても悩みは出ますけど(笑)、行動を起こして初めて、見えてくる景色や自分の本当の答えが手に入ります。
イ:行動しないと悩みは消えない。実際にアパレルデザイナーからカメラ1台で飛び込み、手探りで道を切り拓いて独立された古謝さんの言葉だからこそ、ものすごい説得力がありますね!
古謝:僕もまだまだ夢の途中で、自分自身の言葉に矛盾を感じて笑っちゃうこともあるんですが(笑)、これから何か新しいことに挑戦しようとしている若い皆さんの背中を、少しでも押すことができたら嬉しいです。迷ったらまず一歩、踏み出してみてください!
イ:失敗を恐れず挑戦することの大切さ、そして仲間と共に未来を創る熱いメッセージをいただきました。古謝辰樹さん、本日は本当にありがとうございました!
古謝:ありがとうございました!
番組スポンサー募集のお知らせ
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